シリコンバッグプロテーゼ豊胸手術(大胸筋下法)キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~

妊娠、出産、授乳経験のある女性です。

非常に痩せていて、乳腺が小さく、皮下脂肪も少ないです。
全身麻酔下にシリコンバッグプロテーゼ豊胸手術を行います。
大胸筋下に、コヒーシブシリコンジェルバッグ125ccラウンド型モデラートプロファイルタイプを入れます。
痩せているので大胸筋下に入れることになりました。
バッグのサイズは、事前の診察とカウンセリングで、患者様のご要望を聞き、話し合って決めました。

全身麻酔がかかりました。

全身麻酔は麻酔専門医が行います。
手術は私一人で行います。
全身麻酔中は患者様の意識はありません。

最初に、わきの下に局所麻酔注射をします。

麻酔で完全に眠っているので、痛みは全くありません。

わきのシワに沿って4cm程度の皮膚切開をします。

傷の長さは入れるプロテーゼの大きさによって変わります。
当然、入れるプロテーゼが小さいほど傷が短く、大きいほど傷が長くなります。

皮膚切開したところから、腋窩筋膜をハサミで切開し、大胸筋のエッジを出します。

 

大胸筋のエッジが出たら、大胸筋の下にチュームセント液(薄めた局所麻酔液)を注入するためのカニューレを挿入します。

大胸筋と小胸筋の間に挿入することになります。

大胸筋下にカニューレを挿入し、チュームセント液を入れていきます。

チュームセント液の内容は、薄めた局所麻酔液(リドカイン)、エピネフリン(血管収縮剤)、アルカリ緩衝液(メイロン)、生理食塩水です。

大胸筋下のプロテーゼが入る部位に満遍なくチュームセント液を注入していきます。

局所麻酔をしっかり効かせるため、プロテーゼの入る範囲よりも一回り広い範囲に注入します。
全身麻酔はプロポフォールをメインで行っており、プロポフォールには鎮痛作用がないため、しっかりとチュームセントを効かせることが重要です。

チュームセント液を片側約500cc注入したら、大胸筋下の剥離に入ります。

赤く見えるのが大胸筋です。

大胸筋をファイバー筋鉤で持ち上げると、下に見えるのが小胸筋です。

大胸筋と小胸筋の間から剥離していきます。

大胸筋と小胸筋の間に指を入れて、手で剥離していきます。

 

可能な限り手で剥離していきます。

なんだかんだ言って、手で剥離するのが確実です。
指が長くて細い外科医向きの私の手は、大胸筋の内側縁、下縁、外側縁まで指が届きます。

ある程度手で剥離することができたら、プロテーゼを挿入するために、創縁の上端と下端に2-0絹糸(シルクブレード)をかけて縫合します。

 

創縁の上端と下端を縫合しました。

この縫合をしておくと、プロテーゼを挿入する際、傷に負担がかからず、傷が伸びることはありません。
この縫合をせずに無理してプロテーゼを挿入すると、傷に負担がかかり、傷が伸びて、傷跡が長く残ってしまうことがあります(特に上方に伸びて、腕を下ろしても傷跡がわきからはみ出してしまうことがあります)。

大胸筋下に筋鉤を入れて、助手に保持させ、プロテーゼを入れる準備をします。

 

プロテーゼはソフトコヒーシブシリコンジェルバッグ125ccのラウンド型モデラートプロファイルタイプです。

裏面に規格が書かれています。

プロテーゼを挿入します。

わきの傷に負担がかからないように両手で丁寧に挿入します。
因みに私はケラーファンネルは使用しません。
ケラーファンネルというのは、プロテーゼを挿入するための専用の筒状の袋のことです。
一時期試験的に使ってみたことはあったのですが、わきからの挿入の場合、特別利点を感じず、普段私が行っている方法のほうがスムーズに短時間でプロテーゼを挿入することができるからです。
ケラーファンネルは使い捨ての商品で、一個当たりも非常に高価であり、患者様の経済的負担も考えて、私は使用しておりません。
手術の技術力があり、経験豊富な美容外科医が手術するのであるならば、ケラーファンネルなどは使用せず、絹糸で傷の上端と下端を縫合してプロテーゼを挿入するのがベストだと、私は考えています。

プロテーゼが挿入されました。

 

プロテーゼが入った後、剥離が足りないところを追加で剥離します。

特にプロテーゼを外側縁を指で剥離し、下から立ち上がっている結合組織などを鈍的に分断します。

手で剥離しきれない離れた部位は、先が鈍の剥離棒で剥離します。

プロテーゼの下縁や内側縁もしっかりと剥離します。
剥離は、プロテーゼがちょうどすっぽり入るスペース分だけ行います。
剥離が足らないと、プロテーゼが中で折れ曲がって入ってしまい、拘縮、変形の原因になります。
剥離をし過ぎてしまうと、プロテーゼの変位する原因や血腫の原因になります。

剥離が終了しました。

因みに、大胸筋下法の剥離は、乳腺下法の剥離に比べて、やや下縁を多目に行います。

プロテーゼの挿入が終わったら、バイポーラーで止血を行います。

腋窩からアプローチを行う豊胸手術の場合、止血操作を行うことができるのは、傷の鳥羽口だけです。
プロテーゼの周囲、特に内側縁、下縁の穿通枝は、プロテーゼによる圧迫止血によります。
そのために、プロテーゼ周囲の余分な剥離を行わず、手術後にバストバンドで上からプロテーゼを圧迫固定することが重要になります。

止血が終わったら、傷の縫合に入ります。

まずは4-0PDS吸収糸(溶ける糸)で中縫いをします。

中縫いは、深いところをがっつりかけたりせず、浅いところを軽くかけて縫合するようにします。

手術後にわきから腕にかけてバンドル状に拘縮することを予防するためです。

中縫いが終わりました。

中縫いは傷の長さに応じて2~4針程度行います。
中縫いをかけすぎると、やはり、手術後にわきから腕にかけてバンドル状に拘縮することが起きやすくなります。
必要最小限に行い、あとは外縫いで表面を丁寧に合わせるのが良いです。

最後に6-0ナイロン糸で表面を丁寧に縫合して手術終了です。

表面を縫った糸は約1週間後に抜糸です。

手術終了です。

全身麻酔から覚め、起き上がっていただきました。
手術直後は局所麻酔液やチュームセント液などの影響もあり、胸全体が腫れています。
高須クリニックのプロポフォールをメインとしたTIVA麻酔は、麻酔を切ると数分程度で目が覚めます。
麻酔から覚めたばかりのときは、局所麻酔液やチュームセントが効いているため、痛みはほとんどありません。

手術後6ヶ月です。

非常に綺麗で自然なバストに仕上がっています。

柔らかく、よく動く自然なバストになっています。

もちろん、谷間もできます。

寝た状態です。

横に流れて自然です。

もちろん、寝た状態でも柔らかく、よく動く自然なバストです。

谷間もできます。
男性に揉まれてもバレないと思います。

今回解説した施術の動画一覧

豊胸手術と乳頭縮小手術を同時に行い、バランスのとれた自然な美乳を作った症例写真 左右125ccずつ

  • Before
  • After(2ヶ月後)
  • Before
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  • After(2ヶ月後)
高須幹弥医師からのコメント

担当医からのコメント

高須幹弥 医師

30代女性の患者様で、豊胸して、綺麗なバストになりたいというご要望でした。
診察させていただいたところ、妊娠、出産、授乳をしたため、バストが萎んで、軽度に垂れていました。
また、乳首は授乳したために大きく伸びて垂れていました。
バストは萎んでいるのに、乳首は大きく伸びているため、非常に見た目のバランスが悪くなっていました。
患者様は、せめて裸で人前に出ても恥ずかしくないような人並みのバストになりたいというご要望で、特に巨乳になりたいということではありませんでした。
豊胸手術と乳頭縮小手術を同時に行うことになりました。
バストは大胸筋下にコヒーシブシリコンジェルバッグ125ccを入れ、日本人女性の平均サイズ(BcupとCcupの中間くらい)になるようにしました。
乳頭縮小手術は、未婚女性の平均サイズくらいの大きさになるようにデザインし、ほぼ左右対称で円形の綺麗な乳頭になるようにしました。
術後は、萎んで平らな胸が綺麗に膨らんで、伸びた乳頭も綺麗な形になって、全体的にバランスのよい整ったバストになりました。

施術料金

豊胸手術(シリコンプロテーゼ)

¥1,100,000(税込)

【銀座高須クリニック、名古屋、大阪】

豊胸手術(シリコンプロテーゼ)

¥1,100,000(税込)

【銀座高須クリニック、名古屋、大阪】

乳頭縮小

片方¥165,000(税込)
両方¥330,000(税込)
高須幹弥医師の場合 片方¥220,000(税込)
高須幹弥医師の場合 両方¥440,000(税込)

【全院】

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