顔の施術について

鼻に入っているシリコンプロテーゼを抜くのと同時にヒアルロン酸を注射することはできるのか?


よく鼻にシリコンプロテーゼが入っている患者様で、プロテーゼを抜いて、同時にヒアルロン酸を注射したいという方がいらっしゃいます

プロテーゼを抜きたい理由は、「他院でプロテーゼを入れたけど、形が気に入らないから」、「L型プロテーゼが危険だということは知らず、他院でL型プロテーゼを入れてしまったから」、「何十年も前にプロテーゼを入れ、棺桶に入る前に取ってしまいたいから」、「何となく異物が入っていることに抵抗があるから」など様々です。

プロテーゼを抜いてしまうと、ほぼ元通りの鼻に戻るため、当然プロテーゼが入っていたときの鼻よりも低くなります。すると、友人や職場の同僚に、今までプロテーゼが入っていたことがバレてしまうので、バレないように、ヒアルロン酸を注射して、鼻を高くしておきたいということです。

プロテーゼを抜くのと同時にヒアルロン酸を注射することは、私に関しては、患者様が希望されればさせていただくことはあります。その場合、プロテーゼの入っていたスペース内や皮下にヒアルロン酸を注射することになりますが、プロテーゼが入っていたときよりも鼻を高くすることはできないことが多いです

ヒアルロン酸は、固体であるシリコンプロテーゼと違い、軟らかいジェル状の液体であるため、プロテーゼが入っていたスペース内に注射する場合、入っていたプロテーゼの体積を越える量のヒアルロン酸を注入すると、プロテーゼを除去するために切開した鼻の穴の中の傷口からヒアルロン酸が流れてしまいます。

また、皮下に注射する場合も、プロテーゼを抜いた直後だと、たくさん皮下に注入しようとすると、皮下からプロテーゼの入っていたスペース内にヒアルロン酸が入ってしまうので、皮下にはわずかしか注入できません。そのため、プロテーゼの抜くのと同時にヒアルロン酸を注射する場合は、鼻の状態にもよりますが、プロテーゼが入っていたときよりもわずかに低い状態になります。わずかに低いといっても、せいぜい0.5~1.0mmくらいのことが多いので、プロテーゼを抜いただけの状態に比べれば、友人や職場の同僚に気付かれる可能性ははるかに低いです

この記事の監修医情報
平成11年
  1. 藤田医科大学医学部卒業
平成11年
~平成13年
  1. 藤田医科大学麻酔救急科に勤務
  2. 麻酔科標榜医取得
平成13年
  1. 藤田医科大学大学院入学。
    形成外科入局。高須クリニック勤務
平成14年
  1. 群馬県立がんセンター頭頚部外科勤務
平成15年
  1. Ivo Pitanguy Institute Postgraduate Course (Brazil) 研修
平成17年
  1. 単一植毛手術の研究にて医学博士取得
平成19年
  1. 日本形成外科学会専門医取得
  2. 高須クリニック名古屋院院長

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