二重まぶた全切開法後の幅を狭くする修正手術キャプチャ（写真）解説
～高須幹弥の術式の場合～

この患者様は、6ヶ月以上前に他院で二重まぶた全切開法を受けています。

今回、二重の幅を狭くする修正手術を行うことになりました。

まぶたの皮膚がやや厚く、尚且つ、まぶたの開きが少し悪い方であるのに、幅の広い二重をつくっているため、目を開けた状態での二重のラインの下の皮膚がぷっくり膨らんでハムのような状態になっています。

また、二重のラインの下のぷっくり膨らんだ皮膚がまつ毛の生え際に覆い被さって、まつ毛の生え際が隠れた状態になり、眠たそうな目が余計に眠たそうになっています。

目を閉じた状態です。

まぶたの皮膚が厚いのにも拘わらず、幅を広くするために、まぶたの上のほうの厚い部分の皮膚を切開して癒着させているため、傷跡が食い込んで目立っています。

修正手術のデザインです。

前回の他院での手術の切開線を含め、皮膚を切除し、狭い位置に新たに二重のラインを作ります。
皮膚を切除し過ぎると術後に目を閉じれなくなってしまうので、目が閉じなくならない範囲内で皮膚を切除します。

最初に局所麻酔注射をします。

事前に注射する部位の皮膚に麻酔クリームが塗ってあり、麻酔の目薬による点眼麻酔もしてあります。
その上で極細の注射針で麻酔注射するので、痛みはほとんどないか極わずかです。
また、注入するときに痛みを感じないように人体のPHに近づけたアルカリ緩衝液入りの麻酔液を使用しています。
ちなみに、上まぶたの皮膚にのみ麻酔注射するだけで、まぶたの裏には麻酔注射しません。

左右のまぶたへの局所麻酔注射が終わりました。

手術は左右同時進行で行っていきます。

麻酔がよく効いたら、メスでデザイン通りに皮膚切開します。

ここからは痛みは全く感じません。

メスで皮膚切開した後は、尖端が尖ったスーパーカット剪刀（ハサミ）で皮膚切除します。

両側の皮膚切除が終わりました。

次に、皮膚切除した創から睫毛側の皮膚を剥離していき、前回の手術での癒着を外します。

睫毛側の眼輪筋をスーパーカット剪刀で適量切除します。

睫毛側の眼輪筋の切除は二重の幅を狭くする効果もあるので適度に行いますが、眼輪筋を切除し過ぎると、目を閉じた状態や伏し目になった状態で傷跡が食い込んで目立ちやすくなるので、あくまで適量切除します。

次に、皮膚切除した創から眉毛側の剥離をします。

前回の手術によりここの部位も癒着しているので、しっかりと癒着を外しておく必要があります。
癒着を確実に剥離しておくことにより、術後に二重のラインや傷跡がガタガタするのを防ぐことができます。

睫毛側も眉毛側もしっかりと剥離展開することができました。

あとは、二重のラインを作成し、皮膚を縫合して手術終了になります。

重瞼線の作成のための縫合を行います。

重瞼線の作成は、中縫いはせず、睫毛側の皮膚→挙筋腱膜の断端→眉毛側の皮膚の順に縫合します。
最初に睫毛側の皮膚に糸針を通します。
使用する糸は7-0青ナイロンです。

睫毛側の皮膚を通した後、挙筋腱膜の断端をアンカリングして掬います。

最後に眉毛側の皮膚を通し、

縫合固定しました。

重瞼線の作成のためのアンカリングスーチャーは端から端までほぼ均等に4針行いました。

最後に、間を細かく丁寧に皮膚縫合します。

左側は全て終了しました。

反対側の重瞼線の作成、皮膚縫合も終わり、手術は全て終了しました。

目を開けていただき、綺麗に二重のラインができているか確認します。

腫れているため、二重の幅が予定より大分広いです。

起き上がっていただき、出来上がった二重を確認していただきました。

直後は局所麻酔の影響もあり、強く腫れていますが、腫れは必ず引くので心配ありません。

腫れが引くともっとまぶたは薄くなり、二重の幅は狭くなります。

1週間後です。

抜糸をして、抜糸直後の状態です。

手術直後に比べると腫れは引きましたが、まだまだ腫れています。

腫れていますが、修正手術前に比べてまぶたの開きが良くなり、まつ毛の生え際も見えるようになったのがわかります。
黒目の見える面積も増えました。

目を閉じた状態です。

傷跡はまだ赤いですが、時間の経過と共に赤みは引いていきます。
傷跡の食い込みはだいぶ目立たなくなりましたが、これも時間の経過と共に更に目立たなくなっていきます。