ボディの施術について

豊胸手術のシリコンプロテーゼの選び方

豊胸手術に使用するシリコンバッグプロテーゼを選ぶ際、プロテーゼの大きさや形などにより、100種類以上のプロテーゼから選択することになります。

大きさ(サイズ)に関しては、小さいもので100cc、大きいものだと300cc以上があり、100ccから300ccの間は、だいたい20~25cc刻みでサイズを取り揃えています

また、滅多に使用することはありませんが、ご希望に応じて、400ccや500ccなどの特大のプロテーゼも準備できるようにしています(500ccになると、大きすぎて身体に負担がかかることがあるので、安全性を考えて、お勧めすることは滅多にありえません)。

プロテーゼの形の種類には、

①ラウンド型orアナトミカル型(ティアドロップ型)

②ロープロファイル型orモデラートプロファイル型orハイプロファイル型

による分類があり、それぞれ、ラウンド型にロープロファイル型orモデラートプロファイル型orハイプロファイル型があり、アナトミカル型にもロープロファイル型orモデラートプロファイル型orハイプロファイル型があります。

高須クリニックでは、カウンセリングの際に、患者様の身体を診察させていただき、どれくらい大きくしたいか?何カップにしたいか?どこを膨らませたいか?どのような形にしたいか?などの患者様の希望や、皮膚、皮下脂肪、乳腺の厚みなどから、最適なサイズ、形のプロテーゼを選択させていただきます。

以下にプロテーゼを形の選択について詳しい説明させていただきます。

①ラウンド型orアナトミカル型(ティアドロップ型)

・ラウンド型について

ラウンド型というのは、丸い形をしているという意味であり、その名のとおり、正面から見ると真ん丸な形をしています

真横から見ると、ほぼ円錐に近い形をしています

寝たときも流動物が横に広がるため自然な感じです。

どのような動きにも自在に対応します。

円錐の形をしているため、日本人特有の元のバストが小さい人や特別大きくない人(A~Cカップくらい)に対して、自然に綺麗にバストを大きくするのに向いていますが、元々バストの大きい人に対して、更に大きくする場合にも向いています

妊娠、出産、授乳や加齢により、バストが萎んで垂れてしまった人に対して、張りのある若々しい綺麗な胸にするのにも向いています。

萎んで垂れている胸は、特にバストの上方のボリュームがなくなって、貧相な胸になっているので、ラウンド型のプロテーゼを入れることによって、バストの上の方のボリュームを出すことができるからです。(そのような人にアナトミカル型のプロテーゼを入れると、バストの下の方のボリュームはアップしますが、上の方のボリュームは出ないため、バストの形の悪さが強調されてしまうことがあります)。

また、ラウンド型のプロテーゼは、ワキのシワに沿って皮膚を切開し、プロテーゼを挿入する場合に向いています。

ラウンド型プロテーゼは、正面から見て完全な円形であり、どの側面から見ても完全なシンメトリー(左右対称)であるため、ワキの傷口からプロテーゼを挿入し、乳腺下や大胸筋下に盲目的に入れても、綺麗におさまります。

これがアナトミカル型プロテーゼになると、ワキの傷口から入れた場合、正しい向きで綺麗にプロテーゼがおさまっているかどうか確認できないため、手術が終わった後、腫れが引いて見てみたら、正しい向きでプロテーゼが入っておらず、形の悪い胸になってしまうリスクがあります。

以上の理由から、ラウンド型プロテーゼは、日本人の豊胸手術に非常に向いており、高須クリニックで日本人の患者様に豊胸手術する場合は、ほとんどラウンド型プロテーゼを用いています

・アナトミカル(ティアドロップ)型について

アナトミカルとは、「身体構造の」という意味です。

ティアドロップとは「涙」という意味です。

その名が示す通り、横から見たときに下半分が大きく下にボリュームが出た乳房の形をしています

本来乳腺は立位では重力で下方に垂れるので、アナトミカル型バッグは的をえた形であると言えます

ただし、妊娠、出産、授乳や加齢によりバストが萎んで垂れてしまい、上半分のボリュームがなくなった方は、この形のバッグを入れると下半分のみが大きくなり、垂れたバストが強調されてしまいます。

また、アナトミカル型プロテーゼをワキの傷口から入れると、正しい向きで綺麗にプロテーゼがおさまっているかどうか確認できないため、手術が終わった後、腫れが引いて見てみたら、正しい向きでプロテーゼが入っておらず、形の悪い胸になってしまうリスクがあります。

そのため、アナトミカル型プロテーゼを用いる際は、ワキからではなく、乳房下溝(起きた状態で、バストが垂れたときにできるシワのこと)を切開して、直視下にプロテーゼの位置を調節します。

しかし、日本人の場合、乳房下溝の傷跡は、バストが垂れるくらい大きくなっていれば、起きた状態では傷跡は隠れますが、仰向けになるとかなり傷跡が目立ちます。

以上の理由から、アナトミカル型プロテーゼは、白人で元々バストが大きい人で、バストの上のほうにもボリュームがある場合に、乳房下溝の切開から入れるのには向いていますが、日本人の豊胸手術にはあまり向いていません

そのため、高須クリニックで、日本人患者様に豊胸手術をする場合、アナトミカル型プロテーゼを用いることはあまりありません。

②ロープロファイル型orモデラートプロファイル型orハイプロファイル型

ロープロファイル モデラートプロファイル ハイプロファイル

ここでいう「プロファイル」というのは、「横から見たときの輪郭」という意味です。

シリコンバッグプロテーゼを横から見たときの突出具合によって、

ロープロファイル

モデラートプロファイル

ハイプロファイル

になります。

「モデラート」というのは、「中等度の、中間の」という意味です。

・ロープロファイル型について

一番平べったいプロテーゼです。

少しだけバストの盛り上がりが欲しいという場合に使用します。

自然な仕上がりにはなりますが、底面積や表面積に対するボリュームが小さいため、バストを大きくするのには物理的に不合理な形であることは否めません

患者様のニーズに合わないことも多いので、正直、ほとんど使うことはありません。

・モデラートプロファイル型について

ロープロファイルとハイプロファイルの中間の形のプロテーゼです。

日本人の豊胸手術に向いている標準的な形のプロテーゼであり、最も多く用いられています

患者様の皮膚や皮下脂肪の厚み、元のバストのボリューム、体型に合ったサイズのプロテーゼを用い、自然で無理のないバストにする場合に多く用いられます。

・ハイプロファイル型について

横から見たときの突出度が最も大きいプロテーゼです。

底面積や表面積に対するボリュームが最も大きいため、しっかりと大きくしたいという人に向いています

AV女優、グラビアアイドルなど、バストが大きいことを売りにするタレントの豊胸手術をする場合は、これを用いることが多いです

アメリカのヌード雑誌などに出てるポルノ女優も、たいていこれを用いています

いわゆる「巨乳」にするときにはよくこれを用います。

身長が低く、身体が華奢だけど、大きいサイズのプロテーゼを入れたいという人に用いることもあります。

大胸筋下に125ccのシリコンプロテーゼを入れて豊胸した症例写真

大胸筋下に125ccのシリコンプロテーゼを入れて豊胸した症例写真

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⾼須 幹弥 医師

担当医からのコメント

⾼須 幹弥 医師

50代女性の患者様で、バストを大きくしたいというご要望で来院されました。
診察させていただいたところ、非常に痩せた体型であり、皮膚、皮下脂肪が薄く、肋骨(あばら骨)が浮き出て見えている状態でした。
バストのサイズはAカップないような状態で、皮膚がたるんでいるだけで、ほぼ平坦な胸をしていました。
患者様は、「せめて人並みの大きさのバストになりたい」というご希望でした。
バストを膨らませて大きくする方法は、ヒアルロン酸注射、余分なぜい肉を脂肪吸引してバストに脂肪注入する方法、シリコンバッグプロテーゼによる豊胸手術の3つがあります。
この患者様のような平坦な胸を人並みの大きさのバストにするには1.5カップ程度大きくする必要があり、ヒアルロン酸注射で行うには、一応可能ではありますが、あまりにもたくさんの量のヒアルロン酸が必要であるため、現実的ではありません。
また、脂肪注入をするには、大量の脂肪吸引をする必要があり、この患者様は非常に痩せていて余分なぜい肉がないため不可能です。
そのため必然的に、コヒーシブシリコンジェルバッグプロテーゼでの豊胸手術をすることになりました。
日本人のバストの平均サイズはBカップとCカップの中間くらいであり、この患者様のバストをそれくらいの大きさにするには125ccくらいずつ大きくする必要があるため、125ccのラウンド型マイクロテクスチャータイプのプロテーゼに入れることになりました。
この患者様は非常に痩せているため、大胸筋下法で行い、プロテーゼのエッジが浮き出ないようにしました。
術後は、患者様のご希望通りの人並みの大きさのバストになりました。
また、胸の皮膚がたるんでいたことによってできているシワが、バストの張りが出たことにより目立たなくなりました。
浮き出ていた肋骨も目立たなくなりました。

この記事の監修医情報
平成11年
  1. 藤田医科大学医学部卒業
平成11年
~平成13年
  1. 藤田医科大学麻酔救急科に勤務
  2. 麻酔科標榜医取得
平成13年
  1. 藤田医科大学大学院入学。
    形成外科入局。高須クリニック勤務
平成14年
  1. 群馬県立がんセンター頭頚部外科勤務
平成15年
  1. Ivo Pitanguy Institute Postgraduate Course (Brazil) 研修
平成17年
  1. 単一植毛手術の研究にて医学博士取得
平成19年
  1. 日本形成外科学会専門医取得
  2. 高須クリニック名古屋院院長

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