顔の施術について

なりたい芸能人の顔そっくりに美容整形することは可能なのか?

最近は10~30代の患者様の目、鼻、輪郭などの顔のカウンセリングをしていると、半分くらいの方が芸能人やモデルの出てる雑誌の切り抜きなどを見せて、「こういう感じになりたいです」とおっしゃいます

多くの方は、「この芸能人のような目になりたい」、「このモデルのような鼻になりたい」というように、1つや2つのパーツごとに施術希望されますが、中には「顔全体をこの芸能人にしてほしい」という方もいらっしゃいます。しかし、パーツごとに施術して特定の芸能人と同じパーツにする場合でも難しいことがあります

例えばある芸能人で、まぶたの皮膚が薄く、目の上の骨が発達しておらず、目力があり、蒙古襞があまりなく、目を開けた状態で目頭側から目尻側までがほぼ均等に2mmくらいの幅の綺麗な平行型二重で、目の横幅が広く、左右の目の横幅と目と目の間の間隔の比率が1:1:1の人がいたとします。この芸能人と同じ目を手術で作る場合、元の目が一重まぶたである以外はこの芸能人と同じ目であれば、埋没法や切開法で同じ幅の二重を作るだけでほぼ同じ目を作ることができます。

しかし元の目が、まぶたが非常に厚く、目の上の骨が発達しており、目力がなく、蒙古襞が発達しており、一重まぶたで、目の横幅が狭く、目の横幅と目と目の間の間隔が1:1:1の方の場合は、あまりにも元の目の土台がかけ離れているため難しいです。仮に、眼瞼下垂手術(脂肪切除を含む)、目頭切開、目尻切開、目の上の骨削りをしたとして、ある程度近づけることはできても、同じ目にすることは不可能です。

要するに、元のパーツがなりたい芸能人のパーツに近ければ、1つや2つの手術でかなり近づけることができますが、元のパーツがかけ離れていれば、かなり大掛かりな手術をしても難しいことがあるのです

顔全体を特定の芸能人に近づけることは、パーツごとに近づけるよりもはるかに難しいです

人間の顔というのは、骨格と脂肪などから微妙に作られる輪郭があって、その上に目、眉、鼻、口が微妙な位置関係のバランスで配置され、そのパーツの1つ1つにもそれぞれの微妙な特徴があります。元の顔がその芸能人に似ていれば、少し手術を施すだけで、かなり近づけることができることもありますが、元の顔がかけ離れている場合は、顔全体を大手術したとしても難しいことが多いです(ある程度近づけることは可能です)。よく漫画やドラマや映画などで、さえない女性が全身を大手術して絶世の美女に生まれ変わる展開がありますが、あくまでも作り話の世界であって、現実にはある程度限界があります。

私はいつも、元の顔とかけ離れた芸能人の顔を希望される患者様のカウンセリングをするとき、こうアドバイスします。

「あなたの顔はこの芸能人と土台が違うから、この芸能人に近づけるためにはかなり複数の手術を施さなければならず、費用が高額になるし、全て施したとしても全く同じ顔にすることは不可能で、どことなく不自然な顔になる可能性もあります」

「あなたの顔はあなたの顔の良いところがあるので、あなたの顔の土台をいかして、必要最小限の手術でより可愛いorカッコいい顔にして、雰囲気だけその芸能人に近づけるほうが費用も安く済むし、自然に仕上がりますよ」

すると、約半数の方は私の提案を受け入れてくれて、必要最小限の手術で自然に可愛くorカッコよくなります。しかし、残りの半数の方はなりたい芸能人顔を諦めることができず、その場合、予算範囲内で出来る限りの手術をすることになります。

なりたい芸能人の顔を諦められない人というのは、ファンの域を越えて信仰の域に入っていると私は思います。人間は誰でも、憧れの人がいると、その人に少しでも近づきたい、できればその人になりたいという、同一化願望があります。その芸能人のことが好きすぎて、自分の人生の大部分を占めるようになり、その人なしでは生きていくことができないくらい好きになってしまったら、それは信仰となり、同一化願望が生じることがあります。

そのような患者様に対して、「その芸能人の顔を目指すのではなく、もっと自分に合った自然な顔を目指しなさい」と諭すことは、敬虔なイスラム教徒に対して、「ムハンマドの教えよりイエスの教えの方が正しいから、キリスト教を信仰しなさい」と改宗を迫るくらい辛く残酷なことなのだと思います。

そういった手術をする場合、術前のカウンセリングで十分に、「やや不自然になる可能性がある」「本人に似合わない」「整形っぽくなる」などの術後に生じうるリスクを話し、それら全てを承認した方のみを手術し、承認することができない場合は手術をしないか、本人に合った手術をするようにしています。

私の経験では、ある芸能人に対する信仰心が強い人に、その芸能人の顔に近づけるのではなく、その人に合った自然な手術をした場合、どんなに可愛くorカッコよくなって周りの人達から大絶賛されても、その患者様の精神的満足は得られず、その患者様はその芸能人の顔に近づくために再手術を受けることになります。

私は美容整形というのは、第三者から見て可愛くorカッコよくなるようにすることも重要だと思いますが、本人の望むように手術し、本人を精神的満足させることも重要だと考えています。また、いつかその信仰心が失われ、好みの顔が変わった場合のことも考慮して(信者の方は一生好きであり続けるから、絶対にそんなことはないとおっしゃいます)、なるべく修正がきくように皮膚を切除し過ぎないなどの修正の余地を残すように心掛けています。

この記事の監修医情報
平成11年
  1. 藤田医科大学医学部卒業
平成11年
~平成13年
  1. 藤田医科大学麻酔救急科に勤務
  2. 麻酔科標榜医取得
平成13年
  1. 藤田医科大学大学院入学。
    形成外科入局。高須クリニック勤務
平成14年
  1. 群馬県立がんセンター頭頚部外科勤務
平成15年
  1. Ivo Pitanguy Institute Postgraduate Course (Brazil) 研修
平成17年
  1. 単一植毛手術の研究にて医学博士取得
平成19年
  1. 日本形成外科学会専門医取得
  2. 高須クリニック名古屋院院長

※施術方法や施術の流れに関しましては、各院・各医師により異なります。予めご了承ください。
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