柔道耳(レッスルイヤー、カリフラワー耳)修正手術キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~

カリフラワー耳(柔道耳、レッスルイヤー)修正手術を行います。

カリフラワー耳は、耳を強く擦る、ぶつけるなどの外傷の後、日は耳の皮膚と軟骨の間にできたスペースに血液が溜まることにより形成されます。
血液が溜まった後、すぐに注射器で血液を吸引し、軟膏ガーゼで枕固定(耳に糸を通して、表裏両側からサンドウィッチ状に圧迫固定すること)すればカリフラワー耳にはならないのですが、溜まった血液を放置すると、血液が凝固し、硬く器質化してカリフラワー耳になってしまいます。
よく、外傷後に耳に血液が溜まった後、溜まった血液を注射器で吸引だけして圧迫しない医者や柔道家がいますが、吸引だけしてもすぐに軟骨と皮膚の剥がれたスペースに血液が溜まってしまうので意味がありません。
この方は外耳道(耳の穴の中)周辺に塊ができており、イヤホンが入らない状態になってしまっています。

両サイドから指でつまんでみると、器質化軟骨により、非常に厚みのある耳になってしまっているのがわかります。

 

ピオクタニンで切開線のデザインをします。

耳介の表側からアプローチします。
傷が目立たなくなるように、なるべく耳介の輪郭に沿ったデザインにします。

次に局所麻酔注射をします。

事前に麻酔クリームを塗っており、極細の注射針で注射するので、痛みはわずかです。
器質化軟骨と皮膚を剥がすように、皮下を膨らませながら局所麻酔液を注入します。

裏側も表側と同じように局所麻酔液を皮下に注入します。

 

局所麻酔がよく効いたら、メスでデザイン通りに皮膚切開します。

 

皮膚切開したら、皮膚に器質化軟骨の間をスーパーカット剪刀(ハサミ)で剥離していきます。

 

皮弁を起こし、切除すべき器質化軟骨を露出させました。

 

器質化軟骨の除去する部分をメスで切開します。

器質化している部分は特に硬く、場所によっては石のように硬いです。

器質化軟骨をメスで切開した後、メイヨー(硬い組織を切るハサミ)で切除していきます。

 

セッシでつまみ上げながら切開していきます。

 

器質化軟骨を切除しました。

 

器質化軟骨を切除した後、皮弁を戻した状態です。

厚みのあった部分がなくなり、耳の穴の中が綺麗に見えるようになりました。

皮弁を元に戻した状態で皮膚縫合します。

縫合糸は6-0青ナイロンを使用します。

皮膚縫合が終わりました。

この糸は約1週間後に抜糸します。

最後に枕固定をするために、4-0ナイロン糸で耳介を貫通させます。

2針通します。

2針ナイロン糸を貫通させました。

 

枕固定するためのソフラチュール(抗生剤軟膏ガーゼ)を表裏両サイドに挟みます。

 

ナイロン糸を結びます。

結ぶ強さはきつすぎず緩すぎずです。

枕固定ができました。

この枕固定は、やっておかないと、器質化軟骨を除去したスペースに血液が溜まり、また同じ状態に戻ってしまうので、必ず行う必要があります。
これで手術全てが終了です。
枕固定も約1週間後に外します。

今回解説した施術の動画一覧

施術料金

柔道耳

片側 ¥275,000~¥550,000(税込)

【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】

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