整形を繰り返すと誰しも「整形モンスター」といわれる独特な顔になるの？

最近、患者様のカウンセリングをしているとよく、「整形を繰り返していると、整形モンスターみたいな顔になるってネットに書いてあったんですが、本当ですか？」などとご質問いただきます。

「整形モンスター」というのは恐らく、顔中に色々な美容整形手術を繰り返し行うことにより、それぞれのパーツが極端に強調された、独特の顔のことをいっているのだと思います。同じような言葉に、「整形サイボーグ」「顔面フルチェーン」「整形やり過ぎてコテコテになった顔」「カスタムし過ぎ」などがあります。

整形モンスターの顔の特徴をいくつか挙げると、

ただ、整形モンスターにも色々な種類、ジャンル、程度があるので、全てが当てはまっている整形モンスターもいれば、部分的にだけ当てはまっている整形モンスターもいると思います。整形モンスターになる人は、ほぼ全員、身体醜形恐怖症です。
身体醜形恐怖症の人は、一旦、美容整形手術を受けると、病み付きになり、整形依存症になります。整形依存症が繰り返し美容整形手術を受けることにより、整形モンスターになります。身体醜形恐怖症の人は、幼少期に容姿のことを悪く言われ続けたなどの辛い体験や、先天的な脳の異常などにより引き起こされる精神疾患であるため、簡単に治る病気ではありません。自分が身体醜形恐怖症であることを自覚し、上手く病気と付き合っていくことが大事です。
身体醜形恐怖症患者は、美容整形手術を受けることにより、症状が改善することがあるため、美容整形するなとはいいません。
ただし、身体醜形恐怖症患者は、自分の顔、体、パーツの一部を実際以上に醜いと思い込んでいるため、医者がドクターストップをかけて、歯止めをかけてあげないと、極端な整形をしてしまい、整形依存症になり、整形モンスターになってしまいます。

もし、お金儲け主義の医者やクリニックにかかってしまうと、カモにされてしまいます。
言葉巧みにのせられて、次々に美容整形手術を受けることになり、お金を搾り取られ、不自然な整形モンスターの顔になっていきます。そのため、私は、身体醜形恐怖症の患者様に対しては、患者様が心の病を患っていることをしっかりと認識していただくようにお話しします。その上で、「この手術をすれば、今の状態よりバランスが良くなり、美しくなる」という手術だけをさせていただき、不必要な手術、体に負担がかかる手術は絶対にしません。
しかし、実際には、ほとんどの身体醜形恐怖症の人は、自分が身体醜形恐怖症だと自覚していないというのが現状です。

私のカウンセリングに身体醜形恐怖症の患者様が初診でいらした場合、私が、「あなたが気にしていることは、周りであなたを見ている人は誰も気にしていませんよ」「あなたが希望する手術はしないほうがいいです」「あなたは精神的に病んでいますよ」などと話すと、半分くらいの人は、鼻で笑うか、ぽかーんとしています。
中には、「もういいです！」と言い、怒ってそのまま何も言わずに帰ってしまう人もいます。

また、患者様が無理な手術を要求するとき、私が、
「こんな手術をすると、凄く身体に負担がかかるし、余計におかしな顔になるし、将来顔が崩れてとんでもないことになってしまいますよ。私も保証できないし、絶対にお勧めしません。それでもあなたは手術したいのですか？」
と聞き、
「それでもいいのでしたいです。」
と答える人は、80%以上の確率で身体醜形恐怖症です（もちろんそんな手術私はしませんよ）。

そのような人が、他のクリニックに行き、そこがお金儲け主義のクリニックだったら、カモにされてしまい、必要のない手術を受けることになってしまいます。そのような人が増えないためにも、自分が身体醜形恐怖症、整形依存症だと少しでも思っている人は、この記事をしっかり読んで、頭に入れておいてから、美容整形のカウンセリングを受けていたただきたいと思います。