ボディの施術について

アクアフィリングやアクアリフトなどの豊胸注射は安全なのか?リスク、危険性、失敗、合併症は?

ヒアルロン酸豊胸、脂肪注入豊胸、シリコンプロテーゼ豊胸手術希望の患者様のカウンセリングをしていると、稀に、

高須クリニックではアクアフィリングやアクアリフトなどの注射の豊胸はやっていないのですか?

どうして高須クリニックさんではアクアフィリングは取り扱ってないのですか?

などのご質問をいただきます。

アクアフィリング、アクアリフトとは、新しい素材の注入剤です。

主にバストの豊胸に用いられ、局所麻酔下にカニューラを乳腺下などに挿入し、注入します。

ヒアルロン酸注射と同じような感覚で治療を受けることができ、持続期間はヒアルロン酸より長く、3~5年程度とメーカーは説明しています

話だけ聞くと、非常に魅力的に感じる注入剤なのですが、高須クリニックにアクアフィリングやアクアリフトを導入する予定は今のところありません

理由は、歴史が短く、安全性が確立されていないからです。

安全性が確立されていない要因は主に、

①発癌性などの毒性が100%否定できない

②本当に3~5年で吸収されてなくなるということが否定できず、ある程度永久的に残存する可能性も否定できない

③生理食塩水に溶解して除去できるというのが疑わしい

④軟らかさを維持できず、硬くなってしこりになる可能性が否定できない

などのことがあります。

以下にそれぞれについて詳しく説明させていただきます。

①発癌性などの毒性が100%否定できない

アクアフィリングが危険と考えられる最大の理由は、原料であるアクリルアミドに毒性があり、重合しきれていないモノマーが残留している危険性があるということです

アクアフィリングの原料のモノマーは、アクリルアミドとメチレンビスクリルアミドです。

このアクリルアミドとメチレンビスクリルアミドを一定の条件下で重合等を行うことでアクアフィリングは作られます。

この重合の仕方(架橋の仕方)や側鎖の違い等によりポリマーの性質は全く違ってきます。

アクアフィリングの中には、重合しきれない残留アクリルアミドモノマーが微量存在します。

メーカーのデータでは残留アクリルアミドモノマーは0.4ppmとされています。

この残留アクリルアミドは発がん性物質に分類されるという見解もあります。

②本当に3~5年で吸収されてなくなるということが否定できず、ある程度永久的に残存する可能性も否定できない

メーカーの説明では、アクアフィリングは、98%が水分、2%がポリアミドで構成されており、線状ポリマー同士が水素結合により立体構造をとっているとのことです

この立体構造内に生理食塩水を抱え込んでおり、水素結合は水分子で壊されるそうです。

これは生体内では緩徐に、また3倍量程度の水を加えることで急速に起こるそうです。

水素結合が外れ、線状ポリマーの状態になるまでを分解としているそうです。

分解された線状ポリマーは貪食されて、尿中に排泄されるとされ、この分解~排泄のことをもって生体分解性としているそうです。

しかし、実際に、アクアフィリングやアクアリフトのような本来人間の身体の中にない異物を大量に人間の身体の中に注入した場合、本当に全ての注入物がこのような経路をたどり、排泄されるかはわかりません

この事を確かめるには、実際にアクアフィリングやアクアリフトを注入した人を、10年以上経過観察するしかないと思います。

③生理食塩水に溶解して除去できるというのが疑わしい

メーカーの説明では、アクアフィリングが万が一体内で問題を生じた場合でも、アクアフィリングに生理食塩水を混ぜれば溶けるため、注入部位に生理食塩水を加えて洗い流せば除去することができるということになっています。

しかし、生体外の実験で、アクアフィリングが生理食塩水に溶けたように見えるのは、ポリマーが蓄え切れなかった水分で水溶に見えるだけで、アクアフィリング自体は溶けてはいないのではないか?という意見もあります

④軟らかさを維持できず、硬くなってしこりになる可能性が否定できない

メーカーの説明では、アクアフィリングは、98%が水分、2%がポリアミドで構成されており、軟らかさを保ちながら、3~5年かけて吸収されるということになっています。

しかし、同じようなことを謳っていたアクアミドに関しては、他院で注入されたアクアミドが注入部位に硬くしこりのように残り、10年以上経過しても消えないという症例をよく見かけます。

アクアフィリングやアクアリフトも、将来的には、体内で、水分が先に吸収されて、ポリアミド濃度が上がるということが考えられます。

その場合、最初は柔らかいバストであっても、年月と共にバストが萎んで、硬いしこりだけが永久に残ることも考えられます。

以上のような懸念を勘案して、高須クリニックではアクアフィリングやアクアリフトは導入しておりません。

アクアフィリングやアクアリフトは、手技的には、比較的技術の低い医者や経験の浅い医者でも行うことができます

また、手術をせずに注射だけで胸を大きくすることができる上に、ヒアルロン酸よりも持続効果が長いため、患者様にとっても魅力的に感じると思います。

技術のない医者でも短時間で施術できるため、クリニックの売り上げや利益は上がり、経営している医者にとっては美味しい商売だと思います。

しかし、軽い気持ちでアクアフィリングやアクアリフトを胸に注入しても、後になって、人体に有害であることがわかったり、発癌性があることがわかる可能性があります。

最悪のシナリオを考えると、
  • アクアフィリングやアクアリフトを胸に注入したが、10年後に発癌性があることが発見される
  • 3~5年でなくなるから安心と聞いていたのに、10年経ってもなくならず、乳癌のしこりのように硬く残っている
  • 生理食塩水で中を洗えば、溶解され、除去できると聞いていたのに、実際にやってもらったら、硬く組織に染み込んでおり、除去できなかった
  • 発癌する
ということもありえます。

発癌しなくても、吸収されずに残ったアクアフィリングやアクアリフトが、ある日突然感染症や異物反応を起こし、腫れ上がって痛みが出ることも考えられます(その場合も、取り除くことができず、永久に症状が続くこともありえます)。

医療で新しい製剤が販売されるときは、血友病患者に使用された非加熱血液製剤でHIVに感染したケースのように、後から問題があることがわかり、大騒ぎになることがあります。

アクアフィリングやアクアリフトでも後から問題が生じ、多くの被害者が生まれ、集団訴訟が起こる可能性も0ではありません

この記事の監修医情報
平成11年
  1. 藤田医科大学医学部卒業
平成11年
~平成13年
  1. 藤田医科大学麻酔救急科に勤務
  2. 麻酔科標榜医取得
平成13年
  1. 藤田医科大学大学院入学。
    形成外科入局。高須クリニック勤務
平成14年
  1. 群馬県立がんセンター頭頚部外科勤務
平成15年
  1. Ivo Pitanguy Institute Postgraduate Course (Brazil) 研修
平成17年
  1. 単一植毛手術の研究にて医学博士取得
平成19年
  1. 日本形成外科学会専門医取得
  2. 高須クリニック名古屋院院長

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