乳房縮小手術 キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~

この患者様の乳房縮小手術を行います。

この方は、元々大きなバストをしていたのですが、妊娠、出産、授乳を繰り返したことにより、妊娠中、授乳中に張って膨らんだバストが萎んで垂れて、形が崩れてしまっています。
垂れているバストを持ち上げて形を整え、バストのサイズを一回り小さくすることになりました。

最初に手術のデザインをします。

この手術はバストのサイズを小さくしてつり上げるのと同時に乳輪を小さくすることができます。
バストが大きい人は乳輪も大きいことが多いので、この手術をする際は乳輪も小さくすることが多いです。
この患者様もやや乳輪が大きめでバランスが悪いので、乳輪を一回り小さくします。
平均的な乳輪の直径は4cm弱なので、直径4cm弱になるようにマジックインキでデザインします。

起き上がった状態で乳房下溝の位置をデザインします。

 

下がっている乳輪の位置を上げるために、新たに作る乳輪の位置を設定します。

私はいつも、4本の指が乳房下溝に位置するようにバストを掴み、親指の位置に新たな乳輪がくるようにします。
そうすると、起き上がった状態で、乳房下溝よりも少し高い位置に乳輪が位置することになります。

新たに位置する乳輪から扇状に広がる切開線の角度は120度にしました。

この患者様のバストのように、横方向にもバストを縫縮する必要のある人に対しては、120度くらいにすることが多いです。

新たに位置する乳輪の切開線最後から扇状に広がる切開線の最後までの距離は5cmにしました。

この距離は乳輪から乳房下溝までの距離になります。
私はほとんどの場合、この距離は5cmにします。

乳輪の延長線上の乳房下溝の位置に小三角弁を置きます。

小三角弁を作ることにより、3点縫合部の緊張が分散します。
扇状に広がる切開線の終わりから乳房下溝の切開線の最終点までは、切開線の長さが同じになるように曲線を描いてデザインします。

大まかなデザインが完了したので、後は細い黒マジックインキで最終的な細かいデザインをします。

デザインが済んだら全身麻酔を導入します。

全身麻酔がかかったので、手術を始めていきます。

最初に切開線に沿って局所麻酔液を注入します。

切開線に血管収縮剤であるエピネフリン入りの局所麻酔液を注射しておくと、手術中の出血量を抑えることができます。

 

局所麻酔注射が終わったら、デザイン通りにメスで皮膚切開します。

この後、チュームセントからの脂肪吸引を行うので、その際にデザインが消えてわからなくならないように先にデザイン線を切開しておくわけです。
脂肪吸引する際に、ちゃんと組織内に陰圧がかかるように、皮膚切開は真皮全層を切開しないようにしておきます。

皮膚切開が終わったら、チュームセント液を注入します。

 

脂肪吸引をするために、吸引すべき脂肪のある部位に満遍なくチュームセント液が浸透するようにします。

 

チュームセント液がしっかりと浸透したら、脂肪吸引を始めていきます。

 

左手で圧力を加えながら、皮下脂肪や乳腺組織間、乳腺下の脂肪をしっかりと吸引します。

脂肪吸引によるリダクション(減量)は、後で行う乳腺切除に比べて、出血量が非常に少ないので、必要であれば可能な限り脂肪吸引でボリュームリダクションします。

片側から取れた脂肪です。

約200ccの脂肪を取ることができました。
これだけの減量で2カップは小さくなります。
反対側も同じように同じくらいの量の脂肪を吸引します。
この後、乳腺を切除して更に減量します。

脂肪吸引が終わったら、皮膚の剥離をします。

最初に乳輪の下縁より頭側の皮膚を剥離します。

今回の術式は、乳輪を真皮弁にするわけではないので、バスト皮膚剥離のときに多少皮下脂肪が出ても全く問題ありません。

 

皮膚の剥離除去が終わりました。

 

今度は乳輪の下縁より尾側のボリュームを切除します。

皮膚ごと皮下脂肪と乳腺を切除するので、最初に皮膚全層をメスで切開をします。

メスでの皮膚切開が終わったら、電気メスで皮下脂肪と乳腺を切開していきます。

 

電気メスで血管を電気凝固止血しながら切開していきます。

 

丁度良い量の乳腺のボリュームを切除するように、量を見計らいながら丁寧に切開していきます。

 

乳腺を取り過ぎてしまうと、バストが希望より小さくなりすぎてしまうし、取る量が少ないと、希望したバストほど小さくならなくなってしまいます。

また、あまりにも乳腺を切除しすぎてしまうと、乳輪が窪んだような変形したバストになってしまいます。
あくまで適切な量の乳腺を切除することが重要です。

乳腺切除が終わりました。

乳腺を切除した跡から出血しているところがあれば、術後に血腫にならないように、電気メスやバイポーラーでしっかりと止血をします。

乳腺を切除したスペースにサクションドレーンを留置します。

 

あとは縫合しておしまいになります。

最初に3-0ナイロン糸で仮縫い縫合をします。

大まかに仮縫いをして創を合わせます。

 

仮縫いが終了しました。

 

次に4-0PDS(溶ける吸収糸)で真皮縫合(中縫い)をしていきます。

 

傷跡が綺麗になるように、細かく丁寧に真皮縫合していきます。

 

あとはひたすら丁寧に細かく真皮縫合し、表面は6-0ナイロンで縫合していきます。

仮縫い縫合の糸は真皮縫合が終わった頃あたりで抜糸してしまいます。

手術終了しました。

全身麻酔から覚めて、起き上がっていただきました。
手術直後は腫れているので、腫れが引くと、これより更に一回り小さいバストになります。

傷跡はこの通りです。

1週間後に抜糸し、6ヶ月~1年くらい経過するとだいぶ目立たなくなります。

サクションドレーンは手術日を含めて3日間くらい留置することが多いです。

 

今回解説した施術の動画一覧

乳房縮小手術(マンマリダクション)で、大きくて垂れているバストを吊り上げて小さくした症例写真

  • Before
  • After(1年2ヶ月後)
  • Before
  • After(1年2ヶ月後)
  • Before
  • After(1年2ヶ月後)
高須幹弥医師からのコメント

担当医からのコメント

高須幹弥 医師

40代後半の女性患者様で、大きくて垂れたバストを小さくして形を綺麗にしたいというご要望で来院されました。
元々若いときから大きいバストだったそうですが、妊娠、出産、授乳を繰り返したことと、加齢によって垂れ下がってしまったとのことでした。
診察させていただいたところ、ブラジャーのサイズでいうと、Gカップくらいのボリュームがあり、乳輪も大きく広がって、バスト全体が垂れ下がっていました。
患者様は、「Dカップくらいの大きさにして、垂れているバストをバストアップし、できれば乳輪も小さくしたい」というご要望でしたので、乳房縮小手術(マンマリダクション)をすることになりました。
全身麻酔下に両側同時に行うことになりました。
逆T字法に準じていかり型に余分な皮膚を切除し、脂肪吸引と乳腺切除で、片側につき約300gのボリュームを除去しました。
乳輪周囲の余分な皮膚も切除し、乳輪の直径が約4cmになるように縫縮しました。
術後は、Dカップ程度の程よい大きさのバストになり、垂れていたのもだいぶ解消され、形の良いバストになりました。
また、大きかった乳輪も一回り小さくなって、平均的な大きさになりました。

施術料金

乳房縮小手術(マンマリダクション)

¥1,760,000(税込)

【銀座高須クリニック、名古屋、大阪】

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