二重の幅を広くする修正手術(他院で受けた二重まぶた全切開法+眼瞼下垂手術後)キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~

この患者様は、6ヶ月以上前に、他院で二重まぶた全切開法+眼瞼下垂手術を受けています。

眼科で健康保険で手術を受けたとのことですが、ご本人様的にはもっと幅の広い平行型二重にしたかったとのことでした。
そのため、今回、二重まぶた全切開法に準じて二重の幅を広くする修正手術をすることになりました。
患者様は、ご覧の通り、非常に分厚い上まぶたをしています。
皮下脂肪が厚いのがわかりますが、ROOF(眼輪筋下脂肪組織)も発達していると思われます。
目を開けた状態で二重の幅はほとんど見えなく、目尻側にわずかに幅が見える程度のほぼ奥二重の状態です。

新しく作る二重のラインのデザインをします。

通常、まぶたに重瞼棒を当てて二重のラインを作り、患者様に鏡で確認していただきます。
この患者様のように、二重まぶた手術後(埋没法、ミニ切開法、全切開法、眼瞼下垂手術)に二重の幅を広げる修正手術の場合は、手術前に新しく作る二重のラインを鏡で確認していただくことができます。
因みに、二重まぶた手術後の二重の幅を狭くする修正手術の場合は、このように術前に、新たに作る二重のラインを鏡で確認していただくことはできません。
新たに作る二重のラインを患者様に鏡で確認していただく際、患者様が、担当医に、「自分の目に合った自然な二重を作ってください」という要望の場合は、特別患者様は何も注意することなく、担当医に全て任せてデザインしてもらい、ラインを確認するだけでよいので、非常に簡単なのですが、患者様が二重の幅や形を決めて、担当医に要望する場合は、絶対に守っていただかないといけない注意事項があります。
それは、
・眉毛を挙げないようにし、普段の眉の高さで確認する。
・普段の目力で鏡を見る。決して普段以上に目力を入れたり目力を抜いてはいけない。
・鏡を自分の顔の真正面に構えて確認する。決して鏡を自分の顔の下や上に構えて確認してはいけない。
・背筋を伸ばし、自分の顔がきっちり90度直立した状態で、鏡を顔の真正面に構えて確認する。猫背になったり、顎を引いたり、顎を上げたりして鏡を見てはいけない。
ということです。
二重の幅は、眉毛を上げるか下げるか、目力を入れるか入れないか、鏡を自分の顔の正面に置くか、上に置くか、下に置くか、顎を引くか、上げるかによって、広くなったり狭くなったりするので、以上の注意事項を完璧に守っていただかないと、手術後、完全に腫れが引いて完成したとき、「思ってたより幅が広すぎる」「思ってたより幅が狭すぎる」といったトラブルになってしまいます。
患者様が担当医に、「自分の目に合った自然な二重にしてください」というご要望をした場合は、担当医が二重の幅を決めてデザインするので、そのようなトラブルになることはありません。
この患者様は、幅の広い平行型二重を希望されていたので、上記の注意事項を守っていただいた上でデザインを確認していただきました。

手術のデザインです。

前回の手術の切開線の上(頭側)で新たに切開し、二重の幅を広げます。
患者様は平行型二重を希望されたため、蒙古襞を乗り越えるデザインになります。
そのため、切開線はほぼ直線になります。
もし、まぶたのシワの流れに沿った自然な曲線で切開線のデザインをすると、末広型二重になってしまうからです。

最初に局所麻酔注射をします。

事前に注射する部位の皮膚に麻酔クリームが塗ってあり、点眼薬による麻酔もしてあります。
その上で極細の注射針で麻酔注射するので、痛みはほとんどないか極わずかです。
また、注入するときに痛みを感じないように人体のPHに近づけたアルカリ緩衝液入りの麻酔液を使用しています。
因みに、上まぶたの皮膚にのみ麻酔注射するだけで、まぶたの裏には麻酔注射しません。

左右のまぶたへの局所麻酔注射が終わりました。

手術は左右同時進行で行っていきます。

麻酔がよく効いたら、メスでデザイン通りに皮膚切開します。

ここからは痛みは全く感じません。

睫毛側の眼輪筋と瘢痕をスーパーカット剪刀で適量切除します。

睫毛側の眼輪筋の切除は二重の幅を狭くする効果もあるので適度に行いますが、眼輪筋を切除し過ぎると、目を閉じた状態や伏し目になった状態で傷跡が食い込んで目立ちやすくなるので、あくまで適量切除します。

次に、創から睫毛側の皮膚を剥離していき、前回の手術での癒着を外します。

この操作を行うことによって、奥二重のラインはなくなるため、術後に前回の手術のときに作った狭い二重のラインが残って三重になるのを予防します。

前回の手術での二重のラインの癒着を剥離することができたら、助手に二爪フックで尾側に引っ張ってテンションをかけてもらい、先端が尖ったスーパーカット剪刀(ハサミ)で眼窩隔膜と前回の手術でできた瘢痕を端から端まで切開していきます。

 

眼窩隔膜を目頭側から目尻側まで切開したら、通常は、切開した眼窩隔膜の睫毛側に助手の二爪フックを掛けなおして、眼窩内脂肪の除去をするのですが、眼窩内脂肪は出てこず、ほとんど存在していませんでした。

恐らく、前回の手術のときに眼窩内脂肪はかなり切除していたのだと思われます。
ただし、ROOFに関してはほとんど切除していなかったようなので、ROOFの切除をしにいきます。
ROOFは眼輪筋下の脂肪組織で、眼窩内脂肪の上の眼窩隔膜と眼輪筋の間にあります。
眉毛側の眼輪筋にフックをかけて頭側に持ち上げると黄色いROOFが見えます。
眼輪筋の下にあるこの黄色い脂肪の塊がROOFです。
非常に厚みとボリュームのあるROOFがあるのがわかります。
厚いまぶたの原因は、眼窩内脂肪よりもROOFに起因することが圧倒的に多いです。

余分なROOFをスーパーカット剪刀で適量切除します。

この患者様は元々非常にまぶたが厚いため比較的大量にROOFを切除します。

ROOFの切除をしました。

 

ROOFを切除した部分に指を入れ、ROOFの残り具合を確認します。

 

両側のまぶたからROOFを切除しました。

かなりたくさん切除したので、まぶたがかなり薄くなったのがわかります。
この患者様は非常に分厚いまぶただったのでたくさん脂肪を除去しましたが、まぶたの薄い人やそれほど厚くない人にはこんなに切除できません。
無理して切除すると、術後に目が窪んで老けた窶れた印象の目になってしまったり、予定外重瞼線ができて三重になる原因になってしまうからです。

最後に、重瞼線の作成と皮膚縫合を行います。

重瞼線の作成は、中縫いはせず、睫毛側の皮膚→挙筋腱膜の断端→眉毛側の皮膚の順に縫合します。
最初に睫毛側の皮膚に糸針を通します。
使用する糸は7-0青ナイロンです。

睫毛側の皮膚を通した後、挙筋腱膜の断端を掬います。

 

最後に眉毛側の皮膚を通し、

 

縫合固定します。

 

重瞼線の作成のためのアンカリングスーチャーは端から端までほぼ均等に4針行いました。

 

最後に、間を細かく丁寧に皮膚縫合します。

 

反対側の重瞼線の作成、皮膚縫合も終わり、手術は全て終了しました。

 

目を開けていただき、綺麗に二重のラインができているか確認します。

腫れているため、二重の幅が予定より大分広いです。
直後は局所麻酔の影響もあり、強く腫れていますが、腫れは必ず引くので心配ありません。
腫れが引くともっとまぶたは薄くなり、二重の幅は狭くなります。

1週間後です。

抜糸をして、抜糸直後の状態です。
前回の手術の狭い二重のラインはなくなっており、三重になっておらず、綺麗な一本の二重のラインになっているのがわかります。
手術直後に比べると腫れは引きましたが、まだまだ腫れています。
腫れが引くと、もう少し二重の幅は狭くなり、まぶたの厚みも薄くなります。

目を閉じた状態です。

傷跡はまだ赤いですが、時間の経過と共に赤みは引いていきます。
傷跡の食い込みはだいぶ目立たなくなりましたが、これも時間の経過と共に更に目立たなくなっていきます。

今回解説した施術の動画一覧

施術料金

他院で受けた手術の修正(二重まぶた・目もと)美容整形外科手術の修正

他院で受けた手術の修正(二重まぶた・目もと)美容整形外科手術の修正 (本症例適用料金)¥275,000(税込)
※診察にてご確認ください。

【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】

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