基礎知識
妊娠中に美容整形してもよい? ダメな理由は?

妊娠中は時間がとれるので、ついでに美容整形をしたい。そうおっしゃる方は少なくありません。しかし、妊娠中はどんなに健康で妊娠経過が順調でも、いつ何が起こるかわかりません。ちょっとしたことが重大事故につながることも…。妊娠中の美容整形がNGな理由、そして妊活中の整形の可否について解説します。

妊娠中の美容整形は医療の原則に反するので、できません

美容整形は手術してすぐ終わりではありません。手術後、日常生活を送れるようになるまでには「ダウンタイム」と呼ばれる時間が必要です。ときどき患者さまの中に「産休中でとくにやることがなく、ダウンタイムも取れるので、今のうちに美容整形手術をしてしまいたい」とおっしゃる方がいらっしゃいます。そうおっしゃりたくなる気持ちはわかりますが、残念ながら妊娠中の方には美容整形を行うことができません。なぜなら、妊娠中の体に不要なメスを入れることは医療の原則に反するからです。

美容整形に限らず、すべての医療行為には「主作用が副作用を上回る場合にのみ行う」という原則があります。副作用のある薬でも、それをはるかに上回る治療効果(=主作用)があれば処方するように、必要があれば妊娠中でも手術や治療を行うことはあります。しかし美容整形は、やらなければ命に関わるものではありません。むしろ、やることでリスクが高まるともいえます。美容整形は、そうしたリスクを冒してまで妊娠中に行うものではないため、高須クリニックでは行っていません。

妊娠中のヒアルロン酸、ボツリヌストキシン注射について

ヒアルロン酸やボツリヌストキシンなど、注射のみで母体や胎児(赤ちゃん)に特別大きな影響がないとされるものも、高須クリニックでは念のため行わないようにしています。それぞれの成分の詳細は以下の通りです。

ヒアルロン酸について

ヒアルロン酸はもともと人の体内に存在する成分で、細胞と細胞の間の水分の保持やクッションのように細胞を守る役割などを担っています。美容整形の注射で使用するヒアルロン酸は人工のものですが安定しており、アレルギーなどの悪影響をおよぼす可能性は極めて低いです。

ボツリヌストキシンについて

ボツリヌストキシンはボツリヌス菌が作る毒素を精製した成分です。毒素と聞くと驚くかもしれませんが美容整形では、しわやエラを目立たなくするなどのトラブル改善に使用され、多くの臨床例があります。また、眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の治療においては健康保険の適用もあり、厚生労働省にも認可を受けています。これまで妊娠・授乳中の方にボツリヌストキシンを注射して特別何か障害が出たという報告はありませんが、胎児への影響が100%ないとは言い切れないため、妊娠中の患者さまには注射しないほか、注射後2回生理がくるまでは避妊していただくようにしています。

なおフォトフェイシャルM22、サーマクールFLXなどの照射系治療に関しても同様です。患者様とお子様の安全が第一と考えた末の結論です。

妊活中なら整形できる?

「妊活中なら妊娠はしていないから美容整形できますよね?」という質問を受けることもありますが、妊活中も妊娠中と同じく美容整形はできません。妊活中ということはすなわち「いつ妊娠するかわからない状態」ということ。今日は大丈夫でも手術当日には妊娠しているといった可能性が高いため、高須クリニックでは施術を行っていません。「どうしても今、美容整形をしたい」というご希望がある場合は、いったん妊活や不妊治療を休んでからにしましょう。

美容整形するなら出産後、落ち着いてから

仮に妊娠中や妊活中に美容整形をしても、とくに母体や胎児に影響はないかもしれません。「だったらやってほしい」という患者さまの気持ちもわかります。ですが、何かあってからでは遅いのです。負わなくてもよいリスクを負ってまで美容整形を行う必要はないでしょう。
また出産後には、妊娠前と体の悩みが変わることも少なくありません。せっかく美容整形を受けるのですから、産後落ち着いてからゆっくり考えて、行動に移しましょう。

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