実際の施術をドクターが解説
この解説動画、写真解説では手術シーンが含まれます。
気の弱い方、血を見るのが苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
気の弱い方、血を見るのが苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
たっぷり溜め込んだ脂肪と同時に、皮膚のたるみやしわが気になる人にご検討いただきたいのが、『腹リダクション』。手術は、脂肪を皮膚ごと切除して縫い合わせるというもの。一度に大量の脂肪とさよならできるのはもちろん、たるみやしわを一緒にケアするので、ボディラインを一気に美しくすることができます。
帝王切開や子宮筋腫などでお腹に手術の傷跡がある場合は、その傷跡も同時にきれいに。妊娠線のひどい人はその皮膚を切除することで、妊娠線を取ることができます。
極細の針による注射で局所麻酔をするので、術中の痛みは少なくて済みます。また、体質やご希望に合わせて、全身麻酔で手術を行う場合もあります。術後の腫れや痛みもわずかで、手術当日からシャワーもOKです。
¥1,760,000(税込) |
【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】
腹リダクション(お腹のたるみ取り)
手術前のデザインについて動画で解説します。
※施術方法や施術の流れに関しましては、各院・各医師により異なります。予めご了承ください。
※ホームページ上で掲載されている価格は税込表示となっております。
※当院で行う治療行為は保険診療適応外の自由診療になります。
※インバウンドの方の施術料金は通常料金とは異なります。詳しくはお問い合わせ下さい。
腹部リダクション(お腹のたるみ取り手術)は、皮膚のたるみ方、たるんでいる皮膚の量などにより、様々な手術術式があります。
それぞれの手術術式について詳しく説明させていただきます。
軽度の肥満の方や、軽度の肥満だった方に多いタイプの術式です。
へその下だけたるんで皮膚が余っており、へその上はさほどたるんでいない場合に行います。
傷跡はへその下に一本の長い傷が残るだけです。
余分な皮下脂肪がたくさん付いていれば、同時に脂肪吸引をすることがありますが、皮下脂肪はそれほど付いておらず、皮膚が余っているだけであれば、皮膚を切除するだけになります。
中等度の肥満だった方や、妊娠中にかなりお腹が大きくなった方、過食症などの摂食障害があった方に多いタイプの術式です。
へその上下に切開線がくるように、へそを含めて皮膚を切除します。
元々あるへその皮膚を残して、くりぬいて切除し、縫合線の上(頭側)の皮膚に穴を空けて、新たにへそを形成します。
へその下に一本の長い傷跡が残ります。
へその周囲にもリング状に傷跡が残りますが、この傷跡はほとんど目立ちません。
余分な皮下脂肪がたくさん付いていれば、同時に脂肪吸引をすることがありますが、皮下脂肪はそれほど付いておらず、皮膚が余っているだけであれば、皮膚を切除するだけになります。
重度の肥満だった方がダイエットして痩せた場合や、重度の過食症だった方が痩せた場合に多いタイプの術式です。
鼠径部辺りで皮膚を切開して、胸の下辺りまで皮下剥離し、皮膚を下(尾側)に引っ張った状態で、余分な皮膚を切除して、縫合します。
元々あるへその皮膚を残して、くりぬいて切除し、縫合線の上(頭側)の皮膚に穴を空けて、新たにへそを形成します。
鼠径部の辺りに一本の長い傷跡が残ります。
へその周囲にもリング状に傷跡が残りますが、この傷跡はほとんど目立ちません。
余分な皮下脂肪がたくさん付いていれば、同時に脂肪吸引をすることがありますが、皮下脂肪はそれほど付いておらず、皮膚が余っているだけであれば、皮膚を切除するだけになります。
超肥満だった方がダイエットして痩せた場合などに多いタイプの術式です。
鼠径部辺りで皮膚を切開して、胸の下辺りまで皮下剥離し、皮膚を下(尾側)に引っ張った状態で、余分な皮膚を、縦方向と横方向で切除して、縫合します。
元々あるへその皮膚を残して、くりぬいて切除し、縦の縫合線上に新たにへそを形成します。
鼠径部の辺りの長い横の傷跡と縦の傷跡が残ります。
余分な皮下脂肪がたくさん付いていれば、同時に脂肪吸引をすることがありますが、皮下脂肪はそれほど付いておらず、皮膚が余っているだけであれば、皮膚を切除するだけになります。
カウンセリングでは、診察させていただいた後、患者様の状態に合わせて、最適な手術術式を選択させていただきます。
お腹のたるみ取り手術(腹部リダクション)の症例写真
30代後半女性の患者様で、お腹の脂肪と皮膚のたるみと妊娠線、皮膚割れを改善したいというご要望で来院されました。
診察させていただいたところ、お腹回り全体にたくさん皮下脂肪がついており、へそ回りの皮膚が大量にたるんでいました。
へそ回りの余っている皮膚には妊娠線、皮膚割れがしっかりと刻まれていました。
患者様のご希望は、「お腹の脂肪をとって、皮膚のたるみをスッキリさせて、妊娠線もとりたい」というご要望でした。
それら全てを改善するにはお腹のたるみ取り手術腹部リダクションしかないため、その手術の説明をさせていただいたところ、納得され、手術をすることになりました。
全身麻酔下に、上腹部、下腹部、ウエスト、わき腹の脂肪吸引をし、へそ回りの妊娠線が刻まれている皮膚を中心に皮膚切除し、新たにへそを形成しました。
術後はお腹前面のへそ下に3/5周程度の細い1本の傷跡が残りましたが、たるみがとれてスッキリしました。
この患者様のように、お腹の脂肪がついているだけではなく、皮膚が大量にたるんでおり、妊娠線や皮膚割れもある場合、脂肪吸引だけをすると、脂肪の量は減りますが、皮膚は余計にたるんでしまい、妊娠線や皮膚割れを改善させることもできません。
全てを改善するには腹部リダクション手術しかありませんが、必ず傷跡は残るし、年月が経っても傷跡が完全に消えることはありません。
傷跡が残っても良いので、たるみや妊娠線、皮膚割れをとってスッキリさせたいという人にご検討いただきたい手術です。
¥1,760,000(税込) |
【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】
腹リダクション(お腹のたるみ取り)
手術前には、担当する医師がじっくりとカウンセリングを行います。
カウンセリングでは、仕上がりなど、入念にご希望をうかがいます。
またカウンセリングでは、手術によりどの程度変化するのか、手術の流れや術後のアフターケアなどについても詳細に説明しますので、わからないことがあったら何でも質問してください。
現在、内服しているお薬がある場合はこちらも確認ください。
手術前に中止すべき抗凝固薬、抗血小板薬、
薬を中止すべき手術について
手術前に、手術を行う部分に麻酔クリームを塗ります。
麻酔クリームは、化粧品のクリームに似た感触の麻酔薬です。局所麻酔を行う際の、注射器の針を刺す痛みをほとんどなくします。
手術内容や患者様の体質などによって、塗布する範囲や量を調整します。
カウンセリングでヒアリングしたご希望の形(デザイン)を、手術を担当する医師と最終確認します。確認後、納得していただけましたら手術の準備を開始します。
手術中に痛みを感じることがないように局所麻酔をします。
麻酔は注射で行いますが、事前に麻酔クリームを塗ってあるため注射針による痛みはごくわずかです。
麻酔がかかったら手術を開始します。
手術は、脂肪を皮膚ごと切除して縫い合わせていきます。
手術中は麻酔がかかっているため、痛みは感じません。
そのまま歩いてお帰りいただけます。
手術日から7日~14日後に再び来院していただき、手術で縫合した部分の抜糸を行います。抜糸はほとんど痛くありません。
手術後に腫れや痛みなど、気になることがあれば、お電話などでお気軽にご相談ください。お話をうかがい、必要があるようでしたら、術後検診に来院いただきます。
当院の手術の際の局所麻酔注射、ヒアルロン酸注射、ボツリヌストキシン注射の際の注射針には、国産のテルモ針、エンジェルニードルなど、質の良いものだけを使用しています。
一般的に、注射針は、より細く、より切れの良いほうが痛みが少なくなっています。当院で使用している注射針は、細さと切れ味を追及した質の良い注射針。針を刺す際の痛みが少なく、少しでも患者様の苦痛を少なくするために最善の努力をしています。
注射をするときの痛みは、一般的に、細い注射針ほうが少なく、太い注射針のほうが痛みが強くなります。それは、皮膚や粘膜に注射する際、注射針で皮膚や粘膜の表面に小さな穴を空け、針先が中に入っていくからです。当然、細い針のほうが表面を傷つけるダメージが少なく、痛みが少なくなります。
しかしながら、注射する部位によっては、あまりに細すぎる注射針を使用すると、針が皮膚の硬さに負けてしまい、刺さらない場合も。当院では様々なG(ゲージ)※の注射針を取り揃えており、皮膚の硬さに負けない硬さの注射針で、細いものでは30~34G(ゲージ)※のものをご用意しています。
注射する部位によって使用する針を替え、少しでも患者様の痛みが少なくなるように努力しています。
※G(ゲージ):注射針の太さの単位。 数字が大きいほど細くなります。
当院では、針の外径に対して内径の大きい注射針を使用。
麻酔液やヒアルロン酸、ボツリヌストキシンなどを注射する際、薬液は注射針の内腔を通過して注入されます。
外径に対して内径が大きい注射針のほうが、薬液が内腔を通過する時の圧力に対する外径の太さが細いため、その分、細い針を使用することができます。結果的に患者様の痛みが少なくなります。
当院では切れ味の鋭い注射針を使用。
切れ味が鋭い注射針は、皮膚や粘膜を貫く際、抵抗が少なくスムーズに針が入っていくため、痛みが少なくなります。
一般的に、薬液を注入する際、浅い層に注入する場合は短い注射針を用い、深い層に注入する際は長い注射針を用います。
当院でも同じように、皮膚の狭い範囲に注入する際には短い注射針を用い、広い範囲に注入する際には長い注射針を用いて注射を行っています。
特に、広い範囲に注入する場合、短い注射針で行うと、何回も針を刺すことになってしまい、その分、患者様の痛みが強くなります。そのため、広い範囲に注入時には、少しでも痛みを軽減させるために専用の長いカテラン針などを使用しています。
当院では、手術後や注射後などの腫れを早く引かせる漢方薬「治打撲一方(ヂダボクイッポウ)」を常備しております。
治打撲一方は、元来、その名が示すよう、打撲の治療に用いる内服薬であり、江戸時代中期の医者香川修庵によって考えられた薬です。
患部の血行をよくするとともに、腫れや痛みをやわらげる効果があります。
打撲以外にも、外科手術後の腫れや痛みに対しても一般的に使われており、美容整形の手術や注射などの後にも使用することができます。
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
治打撲一方の構成生薬は下記の7種類です。
・桂皮(ケイヒ): クスノキ科カツラの木の樹皮を乾燥させたもの。薬効は、体を温め、痛みを止め、血行を改善する作用があります。
・川芎(センキュウ): セリ科センキュウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。
・川骨(センコツ): スイレン科コウホネの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環と水分の循環をよくし、内出血を治す作用があります。
・甘草(カンゾウ): マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用があります。
・大黄(ダイオウ): タデ科ダイオウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、便通をよくし、血行を改善する作用があります。
・丁子(チョウジ): フトモモ科チョウジノキの蕾。薬効は、腹を温め、痛みを止める作用があります。
・撲樕(ボクソク): ブナ科クヌギの樹皮を乾燥させたもの。薬効は、皮膚の排膿を促す作用があります。
桂皮と丁子は発散性の生薬で、患部の熱や痛みを発散して治します。
大黄と樸樕には収斂作用があり、熱や腫れを冷ます効果が期待できます。
そのほか、血液循環をよくする川芎、止血作用の川骨、緩和作用のある甘草などが配合されます。
これらの成分が一緒に働くことで、相乗作用があり、よりよい効果を発揮します。
通常、朝昼夕の3回、1包2.5gずつ、食前又は食間に経口服用します(1日3包内服するということです)。
主に手術後の腫れの強い間に内服します(手術後3日~2週間程度のことが多いです)。
手術、注射などの治療後に服用を希望される方に処方させていただきます。
1包 : ¥110(税込)【全院】
高須クリニックでは、内出血を早く引かせる薬「ケラスキンクリーム」を常備しています。
主成分は、ラクトフェリンをナノ脂質(リポソーム)に封入したもので、皮膚に浸透しやすく、お肌に優しいクリームです。
ラクトフェリンとは、母乳・涙・汗・唾液などの分泌液に含まれる鉄結合性の糖タンパク質です。
内出血は、赤血球中のヘモグロビンに含まれる鉄の色が大きな素ですが、ラクトフェリンは鉄と結合して排出する作用(鉄キレート作用)が非常に強く、内出血の色を早く消す効果があります。
また、ラクトフェリンには抗炎症作用や、抗菌作用、抗酸化作用もあり、メタロプロテアーゼ(細胞外マトリックスを分解する酵素)に対するキレート作用もあります。
サイトカインの過剰な産生を抑制し、炎症部位における白血球の過剰な動員および活性化を阻害する状態になり、内出血の回復に効果が期待されます。
当院では、ヒアルロン酸やボツリヌストキシンなどの注射による治療の際、極細の注射針を使用し、細心の注意をはらい、治療しているため、内出血は起こりにくいのですが、体質などの理由により、稀に起こってしまうことはあります。
目元の手術やエイジングケア手術などでも内出血が生じてしまうことはあります。
内出血が生じてしまうと、通常、治まるまでに1週間程度かかり、長い場合は2週間程度かかってしまうこともあります。
その場合、ケラスキンクリームを用いることにより、早く内出血を引かせることができます。
1日2回、患部の皮膚に塗布し、指で優しくマッサージします。
1回につき約0.15ml使用しますが、部位によって適宜増減し、調整します。
薬を塗布し、皮膚に吸収された後、メイクをしていただくことができます。
手術後の縫合してある傷の部分にケラスキンを塗布することも可能です(抜糸する前の糸がついている傷に塗布することが可能ですが、糸がついている状態の傷にメイクすることは勧めていません)。
5ml : ¥2,200(税込)【全院】
施術時間 | 2~4時間程度 |
---|---|
術後の通院 | 1~3回程度 |
術後の腫れ | 強い腫れは2週間(個人差あり) |
カウンセリング当日の治療 | 程度によります |
入院の必要性 | 程度によります |
麻酔 | 局所麻酔もしくは全身麻酔 |
高須クリニックでは、手術後に、抗生剤や痛み止めなどの内服薬を処方させていただいています。
非常に稀にですが、これらの内服薬を飲むとアレルギーを起こす方がいらっしゃいます。
もし、これらの内服薬を飲んだ後に、発疹(薬疹)、顔面浮腫(顔が強く腫れて浮腫んだ状態になります)喘息様症状、呼吸困難などの症状が現れたら、それらの薬の内服は中止していただく必要があります。
そのことは手術後に患者様にお伝えするようにしているのですが、時々、患者の自己判断で、アレルギー症状が出ても、「薬を飲まないと不安だから」という理由で内服を継続されてしまう方がいらっしゃいます。
その場合、非常に危険なので、アレルギー症状が出た場合は、必ず処方された薬を中断してください。
以下に処方する薬について詳しく説明させていただきます。
〈痛み止めについて〉
痛み止めに関しては、ロキソプロフェンNaの内服薬(ロキソプロフェン錠)やボルタレン座薬を処方することが多いですが、アスピリン喘息の方や、過去にNSAIDsでアレルギーが出たことのある方が、ロキソプロフェン錠やボルタレン座薬を使用すると、喘息症状やアレルギー症状が出る可能性があります。
そのため、そのような方には、ロキソプロフェン錠やボルタレン座薬は処方せず、代わりにカロナール錠(アセトアミノフェン)を処方させていただくことがあります。
カロナール錠は、15歳未満の患者様で手術後に痛み止めが必要な場合に、担当の医師の裁量でお出しさせていただくこともあります(インフルエンザ脳症、ライ症候群予防のため)。
カロナール錠(アセトアミノフェン)は、ロキソプロフェンやボルタレンなどのNSAIDsとは異なる種類の非ピリン系の内服薬です。
ロキソプロフェンよりも穏やかな作用であり、炎症を抑える作用が弱く、鎮痛作用、解熱作用も比較的弱いですが、NSAIDsでアレルギー症状が出る人に対しては、比較的安全性が高いです。
〈抗生剤について〉
高須クリニックでは、術後の抗生剤に、フロモックスなどのセフェム系抗生剤、アモキシシリン、アモペニキシンなどのペニシリン系抗生剤を投与することが多いです。
これらの薬でアレルギーがでたことがある人は、テトラサイクリン系のミノマイシン、ミノトーワなどに替えることがあります。
このように、過去に抗生剤で薬疹や粘膜浮腫、顔面浮腫などのアレルギー症状がでたことがある人は、抗生剤の種類を替えて処方することができますが、何の薬でアレルギーが出たかわからない人や、薬を替えても抗生剤を飲みたくない人は、無理して飲む必要はないので、その場合は抗生剤は処方致しません。
〈何故、手術後に抗生剤を飲まなくても大丈夫なのか?〉
高須クリニックでは、昔から、手術後に抗生剤(抗生物質)の内服薬(飲み薬)を処方しています。
二重まぶた埋没法、切開法、目頭切開などの目元の手術、シリコンプロテーゼ、小鼻縮小などの鼻の手術、顎のシリコンプロテーゼ、フェイスリフト、豊胸手術など、ほとんどの手術で術後に3~5日間程度抗生剤を処方しています。
手術中、手術後に抗生剤を投与するのは、「術中感染、術後感染の予防投与」といい、術後に創部に感染症が起こらないようにするためのものとされ、日本では昔から様々な手術で投与されてきました。
外科、心臓外科、整形外科、形成外科、耳鼻科などの科でも、手術後に抗生剤の点滴を何日間もしたり、内服薬の投与もすることが多いです。
昔からこれだけ色々な科で、手術後にたくさんの抗生剤が投与されていると、
「手術後の感染症を予防するための抗生剤投与は重要なことなんだなあ」
と思う人が多いと思いますが、実際には、美容外科や形成外科の手術に関して、「手術後に抗生剤を投与すると感染症が予防できる」というエビデンスはありません。
要するに、「手術後に抗生剤を投与すると、手術後に抗生剤を投与しなかった場合に比べて、感染症の発生率に有意差があった」という明らかなデータはないということです。
では何故、日本では昔からこんなにもたくさん手術後に抗生剤が投与されていたかというと、それは健康保険の仕組みと、病院と製薬会社のしがらみによるからです。
健康保険で診察、治療する場合、一部の例外を除くと、治療をすればするだけ保険点数は加算され、病院の収益になります。
患者さんが軽い風邪で来院されても、解熱剤、咳止め、去痰剤、抗生剤などの薬をたくさん処方することによって利益をあげます。
本来、ウィルス性の風邪に抗生剤は無効なのですが、「細菌の二次感染の予防のための予防投与」という建前で処方します。
手術をした後も、「術後感染の予防」という建前で、抗生剤の点滴や内服薬の投与を長期間行い、保険点数を増やし、利益をあげます。
しかし、必要のない薬であっても、医学的知識の乏しい患者様にとっては、どの薬が必要でどの薬が必要でないなんてことはわからないし、医者が必要と言えば必要なんだと思ってしまいます。
現在、世界では、術後に抗生剤を投与することによって感染症を予防できるというエビデンスがないことから、「抗生剤を投与する場合は手術から24時間以内が望ましい」という指針がメジャーであり、整形外科の人工関節の手術や心臓外科の手術などの感染ハイリスクの手術でのみ24時間以内までに抗生剤を投与し、それ以降は投与しないのが主流です。
〈抗生剤には様々な副作用、リスクがある〉
保険診療で、医者が患者様に抗生剤を必要以上にたくさん処方しても、患者様は医学の知識が乏しいため、何も文句は言いません。
中には、「たくさん薬を出してくれた。医者に大切にされてるのでありがたい」と喜んでしまう患者様もいらっしゃいます。
むしろ、軽い風邪で受診した患者様に対して医者が、「解熱剤も抗生剤も必要ないのでお出ししません」「水分をしっかり摂ってお家で安静にしてるだけで治りますよ」と言って、診察だけして何も薬を出さないと、「あそこの医者は何も薬を出してくれなかった!」と怒ってしまう患者様もいらっしゃいます。
しかし、抗生剤には様々なリスク、副作用があります。
どんな抗生剤でも、体質によっては必ずアレルギーがでる可能性があり、全身に薬疹がでたり、口の中や気道の粘膜が腫れて、呼吸困難になったり、アナフィラキシーショックで死亡する可能性もあります。
抗生剤の内服をすることにより、胃の粘膜が荒れて、胃炎になることもあります。
抗生剤によって、腸の中の腸内細菌が死んでしまい、悪玉菌が増えることにより、お腹の調子が悪くなって、下痢をしたり、便秘になることがあります。
抗生剤によって、皮膚の常在菌が死んでしまい、代わりに他の微生物が増えることにより肌が荒れたり、ニキビができたり、真菌症になって、カンジダ症やインキンタムシになることもあります。
抗生剤を長期間投与し続けることにより、身体の中で抗生剤の効かない耐性菌が増えてしまい、将来、何らかの感染症を起こし、本当に抗生剤治療が必要になったときに、抗生剤が効かない身体になっていることもあります。
健康保険で必要のない抗生剤を投与しても、患者様にとっては百害あって一利なしであり、得をするのは病院と製薬会社だけです。
とはいえ、日本には薬神話というものがあり、患者様が病院に行けば、医者が薬を出してくれるのが習慣であり、薬を出さないで正しいことをする医者が少数派になってしまうのが現状です。
医者や看護師などの医療従事者達も、常に勉強して新しい知識を頭に入れ、何が正しくて何が間違っているか理屈でものを考える頭の人は、必要でない抗生剤を処方しないことを理解しますが、理屈でものを考えないで、昔から習慣的にやっていることや周りの人達がやっていることが正しいとだけ考えている頭の人は、未だに術後の抗生剤投与は絶対に必要だと考えています。
もし、美容整形手術の術後の抗生剤を処方しないと、患者様によっては、
「なんでここのクリニックでは術後に抗生剤を出してくれないのですか!?」
「○○クリニックで手術したときは術後に抗生剤を出してくれたのに、なんでここのクリニックでは出してくれないのですか!?」
「術後に抗生剤も出さないなんて、酷い扱いですね!」
と、怒ってしまう患者も多くいらっしゃると思います。
そのため、高須クリニックでは術後に最低限の抗生剤を処方しておりますが、もしも抗生剤を飲むことを望まない患者様がいらっしゃれば、医師にお伝えください。
腹部リダクションのリスク、副作用に、仕上がりにわずかな左右差が生じる可能性というものがあります。
そもそも、人間の身体は左右非対称にできています。
お腹周りも、必ず多少の非対称はあります。
皮膚の厚み、皮膚のたるみ具合、脂肪のつき具合、筋肉のつき具合、ボリュームなど、必ず左右非対称があり、それらにより、元の身体は非対称になっています。
そのため、仮に、完璧に左右対称にデザインし、完璧に左右対称の手術を行ったとしても、元の土台の非対称があるため、必ずわずかな非対称は生じてしまうことになります。
また、手術というのはあくまで、生身の人間の体を生身の人間の手で扱う行為です。
コンピューターで絵を描くように、完璧に左右対称に仕上げることは現実的、物理的に不可能です。
我々高須クリニックのドクターは、なるべく左右差が出ないようには最大限の努力はさせていただきますが、上記の理由から、必ずわずかな非対称は生じることになり、コンピューターグラフィックスのような完全なシンメトリーにすることは不可能です。
腹部リダクション(お腹のたるみ取り手術)のリスク、副作用に、傷跡が肥厚性瘢痕やケロイドになる可能性というものがあります。
腹部リダクションは、お腹の余分な皮膚や皮下脂肪を切除して縫合します。
へその周囲やへその下などに傷跡が残ります。
手術をして3~6ヶ月くらいの間は傷跡が赤くなったり、盛り上がったりして、多少目立つことがあり、その傷の状態のことを肥厚性瘢痕といいます。
へその周囲やお腹の傷跡は、個人差がありますが、通常、手術後3ヶ月くらいがピークで肥厚性瘢痕になり、赤みや盛り上がりが生じることが多く(これも個人差があり、体質によってはほとんど肥厚性瘢痕にならない人もいます)、その後は3ヶ月から1年くらいかけて赤みや盛り上がりが引いていき、白く平らな目立たない傷跡になっていきます。
ただし、稀に、肥厚性瘢痕の赤みや盛り上がりが引くのにもっと時間のかかる体質の人もいらっしゃいます。
また、ケロイド体質の人は、肥厚性瘢痕よりも盛り上がるケロイドになることもあります。
肥厚性瘢痕の赤みや盛り上がりがなかなか引かない場合やケロイドになった場合は、傷跡の盛り上がりを早く引かせるステロイドホルモンを傷跡に直接注射する治療などをさせていただくことがあります。
お腹のたるみ取り手術のリスク、副作用に、手術後の血腫があります。
お腹のたるみ取り手術は、お腹周りの余分な皮膚を切除し、縫合します。
手術後は、手術中に使用する局所麻酔液に含まれる血管収縮剤(エピネフリン)や電気止血、圧迫などにより止血されていますが、非常に稀に、手術後に再出血し、血腫が生じることがあります。
血腫が生じる場合、手術後に血管収縮剤の効果がなくなってくる3~4時間後くらいに生じることが多いですが、手術後24時間以内であれば、血圧が上がることなどによっても生じる可能性があります。
そのため、手術当日から翌日にかけてはなるべく安静を保つことが重要です。
万が一血腫が生じた場合は、溜まった血腫の量によっては、血腫を取り除く処置をさせていただくことがあります。
太ってはいなくても、年齢とともにおなかの皮膚はたるんできます。特に妊娠・出産、ダイエットを繰り返した方は、どんなにシェイプアップに励んでも、なかなか引き締めるのは難しいもの。腹リダクションなら、若い頃のすっきりとしたウエストラインが手に入ります。
当サイトは高須クリニック在籍医師の監修のもとで掲載しております。