いい美容整形外科クリニック名医を探すにはどうしたらいいのか?③

若い医者よりベテランの医者のほうがいい?

色々な人からよく、「若い先生だと、なんとなく心細く感じるんですが、やっぱりある程度年齢がいってるベテランの先生のほうがいいんですか?」と質問されます。

ほぼその通りだと思います。医者というのは、6年間医学部に通い、国家試験に合格すればなれます。しかし、実際、なったばかりの医者は、何もすることはできません
医学部の6年間は、人体の解剖学、生理学などの基礎医学、内科、外科、眼科、耳鼻科、小児科、産婦人科などの全ての科の臨床医学をひたすら勉強するだけです。医学部を卒業し、国家試験に合格すれば医師免許を取得するので、法律的にはどんな手術でもやっていいことになるのですが、なったばかりの医者は、国家試験の問題集の内容が頭に入っているだけの、現場では何も役にたたないただの人です。
その後、大学病院や市民病院などの大きな総合病院で、色々な科を1~3カ月くらいずつローテートして勉強する研修医を2年間行います。ただし、現在の研修医制度は、ほとんど学生の延長みたいなもので、一人では何もさせてもらえず、上の医者にくっついて、見学していたり、たまに手術の介助につかさせてもらったりするレベルです。

研修医が終わったら、自分の進む科を決め、その科の本格的な修行が始まります。
私のように、大学病院の形成外科の医局に入った場合、そこで初めて自分の担当患者を受けもったり、上司の先生に教えてもらいながら手術をしたりしながら、鍛練し、成長していきます。
病院に宿直して、夜中に救急車で運ばれてくる顔面外傷、顔面骨骨折、身体の切創などの患者の処置をしたり、ときには何時間もかかる緊急手術を朝まですることもあります(もちろん次の日から普通に仕事があります)。
家で寝ているときに、夜中に自分の担当の入院患者が急変し、病棟の看護師にオンコールで呼ばれ、病院へ駆けつけ、朝まで担当患者の対応をすることもあります。
私の場合は、大学病院の形成外科で、傷跡を綺麗に縫合する技術や、美容外科手術に必要な解剖学、血管の走行、血行支配、創傷治癒の概念などを勉強、習得し、麻酔科で、全身管理、全身麻酔や、痛みを最小限に抑える局所麻酔注射、術後の疼痛管理などを勉強、習得し、美容外科に転身しました。
そのように自分の専門の科の修行をし、一人前の医者に成長していくのですが、どの科でも、一人前の医者になるには、最低10年はかかるといわれています

そのため、美容外科医を選ぶ基準としては、研修医+形成外科+美容外科のキャリアが10年以上の医者を選ぶのが良いです(外科、整形外科、心臓外科、脳外科、麻酔科、内科、眼科、産婦人科、小児科などの他の科のキャリアは、美容外科との関連性が低いので、カウントしないか、しても1/2くらいにカウントするのがよいです)
キャリア10年未満の医者は、経験不足で、まだ成長段階にあるため、ベテランの医者に比べて技術的に劣るし、失敗される確率が高くなります。

特に、ヒアルロン酸注射、ボツリヌストキシン注射、二重まぶた埋没法、切開法、シリコンプロテーゼなどの鼻の手術、輪郭形成手術、脂肪吸引、豊胸手術などの治療を受ける場合は、若い医者ではなく、キャリア10年以上の医者に任せるのが良いです。
「ヒアルロン酸、ボツリヌストキシン注射くらいだったら、別に若い医者がやってもベテランの医者がやっても同じじゃないの?」と言う人もいるかもしれませんが、これらの治療でも、普通の人が思っている以上に奥が深く、血管の走行、血行支配、表情筋の生理、解剖などを勉強し、たくさんの経験を積まなければ、正しく行うことはできないし、経験の浅い医者が行えば失敗する確率は非常に高いです。

その他の手術になると、更に奥が深くなり、習得するのに時間がかかります。
どんな手術でも、ある程度習得して一人でできるまで、最低でも50~100例は経験する必要があります。100例経験した後でも、手術をする度に新しい発見があるし、経験を積む度に成長して更に上手くなり、200例、500例、1000例、5000例、10000例と症例を重ね、熟練になっていきます。
二重まぶた埋没法にしても、患者様のまぶたの状態、作る二重の幅、形などのデザイン、術式などにより、全く異なる手術になるし、全く異なる結果になるため、10000例経験しても、まだ新たな発見をして、成長することはあります。手術というのは、生まれもっての手先の器用さ、美的センス、頭の中で手順を組み立てて合理的に順次こなしていく能力にも大きく左右されますが、やはり、手術経験が豊富なほど上手になります。

また、美容外科の世界には、早く楽をしてお金を稼ぎたいためか、2年間の研修医が終わって、すぐに美容クリニックに就職する医者や、研修医すらやらずに、医師免許を取得してすぐに美容クリニックに就職する医者がいます。その場合、大学病院や市民病院などの総合病院で、一般の病気を持った患者様の治療に携わることがないまま美容外科医になってしまいます。
また、大病院特有の、入院診療計画書、手術申込書、サマリーなどのたくさんの書類を書くなどの雑用をする経験も積まず、病院に宿直したり、夜中に担当患者の急変で呼ばれたり、緊急手術をしたり、学会発表したり、論文を書いたりなどもほとんど経験することかく美容クリニックで働くことになります。

美容クリニックは、一般の病院に比べると、事務員や看護師が、かなり医者の仕事のサポート、身の回りのお世話をしてくれるので、医者にとっては生温い環境かもしれません(本当は、事務員や看護師がサポートしてくれる分、医者にしかできない仕事をたくさんこなさなければならないので、生温い環境ではないんですけどね)。
そのため、研修医が終わってすぐに美容クリニックに就職した医者や、研修医すらやらずに美容クリニックに就職した医者は、本来、医者が通過しなければならない下積みを経験していないので、「主治医として、責任を持って患者様を担当する」という、医師としての自覚が欠けていることがあります。
大手のチェーン店系クリニックでは、経験不足の若い医者をたくさん雇い、ある医者にはひたすら二重まぶたの手術だけやらせ、ある医者にはひたすら鼻の手術だけやらせ、ある医者にはひたすら脂肪吸引だけやらせ、ある医者にはひたすら豊胸手術だけやらせ、即席でその手術しかできない医者を作り、「二重まぶたのスペシャリスト!」「鼻整形のプロフェッショナル!」「脂肪吸引の天才!」「豊胸の魔術師!」のように売り出していく手法をとっていることがあります。
しかし、本当の美容外科の名医というのは、1人の医者で、二重の手術も、鼻の手術も、輪郭の手術も、エイジングケアの手術も、脂肪吸引も、豊胸手術も、全てハイレベルな手術をすることができ、1人の患者様の顔全体、身体全体をトータルバランスで診て、治療することができなければならないものです。
1人の医者に、二重まぶたの手術しかやらせなかったり、鼻の手術しかやらせないといったように、限られた手術しかやらせないのは、その医者が独立して開業させないようにする効果があるので、クリニックにとっていいのかもしれませんが、患者様にとっては何の得もありません
経験が浅く、下地ができていない医者に、無理やり1つのパーツの手術だけひたすらやらせても、全身をトータルでバランス良く診て、治療することはできないし、他の知識や経験がないため、そのパーツの手術に関しても応用が利かないし、本当にいい手術はできないはずです。

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