教えて、幹弥先生!

醜形恐怖症や整形依存症の人は何科に行くべき?精神科?診療内科?美容整形外科?

醜形恐怖症や整形依存症の人は何科に行けばいいでしょうか?精神科?診療内科?美容整形外科?具体的な治療方法についても教えてください。患者様からの質問に高須幹弥がお答えします。

公開日:2016・01・11出演:高須幹弥医師
醜形恐怖症や整形依存症の人は何科に行くべき?精神科?診療内科?美容整形外科?

A-ブログ読者さまからのご質問です。いつも幹弥先生のブログやYouTube動画を拝見させていただいています。先生に質問なんですが、醜形恐怖症とか、整形依存症の人って、何科に行けばいいんですか。美容整形外科に行くのがいいのか、精神科や心療内科に行くのがいいのか、どっちがいいんですか。あと、具体的にどんな治療がいいのか教えてください。よろしくお願いいたします。

幹弥先生分かりました。そうですね、醜形恐怖症の方とか整形依存症の方、高須クリニックにもよくいらっしゃいますね。

基本的に整形依存症の方はほぼ100パーセント、醜形恐怖症なので、醜形恐怖症に対する治療をするわけなんだけれど、まず、美容整形の手術とか治療をしていいかどうかっていうのは、それはもうケース・バイ・ケースです。

本当にその人に顔に大きな欠点があって、それをすることによってバランスが良くなるんだったら、醜形恐怖症の人にも美容整形はやっても大丈夫です。それはもう整形外科の学会とかでも認められることで、経験的にも醜形恐怖症の方に美容整形の手術をして症状が改善するっていうことが認められてるから、そういうふうになってます。だから必要以上に無駄な治療をすすめたりとかしなければ、必要な治療であれば美容整形するのはいいと思います。なので、僕でもやることはあります。

ただ、根本的にあるのは心の病なので、手術して醜形恐怖症の症状がなくなる人ってほんとにごく一部です。症状がちょっと改善するぐらいです。またしばらくすると手術したくなっちゃう人とか、また悩みが強くなっちゃうっていう人もいると思います。手術して症状が改善してそれでおさまる人もいます。その場合は、患者さんがどれだけ希望しても必要のない手術は、しないべきですね。僕はしないです。

ただ、よその病院は、そこの先生の方針で、どんどんすすめてどんどん手術しちゃうってことはあります。やればやるだけどんどんコテコテの顔になって、顔中ちっちゃい傷だらけで、もう典型的な整形依存症のコテコテの顔になっちゃう人はいます。

で、精神科や心療内科に行くべきかどうかっていうのは、親身になって、醜形恐怖症や整形依存症の治療をしてくれる精神科のお医者さんがいれば、もちろん、行くべきです。ただ、ほとんど日本にはいないです。

普通に精神科を受診してしまうと、何分間か、長いと10分以上だけど、カウンセリングして問診して「はい、分かりました」と言って、お薬を出されるでしょうね。抗不安薬とか、場合によっては抗うつ薬が出されることもありますね。うつ症状とかあれば。

大抵、整形依存症の人や醜形恐怖症の人は心が病んでて、不安障害を持っていて、うつ病の症状が出ている人もよくいらっしゃるから、普通にうつ病の患者さんかかるのと同じように薬を出されるでしょうね。デパスとかソラナックスとか、そういった抗不安薬とか、夜眠れない人なんかはハルシオンとかマイスリーとか睡眠導入剤を出されることもあるし、あるいはパキシルとかルボックスとかSSRIとかね、そういった抗うつ薬を出されることもあるでしょう。ただそれはあんまり解決にならないですね。

お薬出されて、じゃあまた今度、2週間後とか1ヶ月後に後に来てくださいって言って、また来たらどうですかって聞いて、じゃあお薬また出しときますねって出すと。症状があんまり改善しないんだったら、だったらお薬変えましょうかとか、お薬を増やしますねって言って、どんどんお薬が増えていくことになりますね。

基本的にデパスとかそういったソラナックスとか抗不安薬って本当は一時的に飲むものであって、飲み続けるものではないんですね。海外だともう一時的に飲むっていうふうになってるし、ずっと出し続けるお医者さんいないし、ずっと飲む患者さんもほとんどいないですけど、日本はこういう医療のシステムだから、どんどん薬出して飲み続けると。でも耐性ができていずれ薬が効かなくなるんで、薬の量がどんどん増えると。薬が切れてくると、リバウンドで不安が強くなかったりするから、結果的に薬漬けになってしまうことが多いですね。睡眠薬でもそうですね。抗うつ薬も飲むんだったらほとんどの人が一生飲み続けることになりますね。

ある程度、症状が改善すれば薬減量できるけれど、なかなか生活習慣とか考え方を改善せずに薬だけで治療しようとすると、どんどん薬が増えたり効かなくなっていくっていうオチになりますね。それはね、醜形恐怖症や整形依存症以外でもね、うつ病とか不安障害とかで精神科を受診したら同じ結末になりますね。

A-根本的な治療にはならないということですよね。

幹弥先生そうなんだ。何でこうなっちゃうかって言うと医療のシステムに問題があるわけであって、保険診療って、本当はカウンセリングでじっくり話すのが大事な治療であっても、カウンセリングしても収入がほとんどないんですね。薬を出すことによって収入があるから、お金をしっかり稼いで経営を安定させようとすると、精神科のお医者さんって薬をいっぱい出してずっと通わせるのが一番合理的ですね。3分お話して薬出して通わせて、ひどいところは診察もしないで薬だけ取りに来させて、本当は診察しないで投薬するっていうのは、法律で違反なんだけど、ちっちゃい開業医だと結構平気でやってるところは多いですね。だからそうなってしまうんですね。なので安易に精神科を受診しないほうがいいと僕は思います。

ただ、ちゃんと醜形恐怖症や整形依存症の治療をしてくれる精神科のお医者さんもいます。大抵そういうところは保険診療じゃなくて自費診療でやってますね。だからお金がかかってしまう。そういうところは薬を出すことよりも、生活習慣を改善させるためのカウンセリングしたいとか、考え方を変えるカウンセリングをしてくれる、あるいは行動認知療法とか、そういう治療をすすめてくれると。

例えば醜形恐怖症って必要以上に自分の顔を醜いって思ってることが多いから、そうじゃないんだよっていうことをしっかり言い聞かせて、自分でも心の中で言い聞かせるように習慣づけて考え方を変えると。悩んでもしょうがないとか。自分が悩んでるってことはね、周りの人が見て全然悩むべきことなんじゃないよと。自意識過剰なんだよっていうことをしっかり認識させる治療をしてくれる、自費診療の精神科のお医者さんもいます。ただもう本当にごくわずかです。それはうつ病とか不安障害とかでも同じですね。自費診療で、カウンセリング重視でやってくれる人は、お医者さんはしっかりと治療してくれますね。

ただ、自費診療なのでやっぱり料金が高くて、カウンセリングでも1回5000円、1万円、あるいはもっと取られることもありますね。お金がかかってしまうけど、精神科で治療するんだったらちゃんとしたお医者さんに治療を受けないといけないってことになりますね。

A-しっかりカウンセリングをしていただける先生を選ぶということですね。

幹弥先生そうですね。ただ、なかなか難しいと思いますね。軽い思いこみの醜形恐怖症の人なんかは、そういった美容整形の手術をしたり、あるいはカウンセリングでだいぶ症状改善したりとか、ほとんど完治するってこともあるんだけれど、思いこみが強くて頑固な病気の場合はなかなか改善しないっていうことはありますので、長くずっと付き合っていくってことも大事なこともありますね。

僕の患者さんでも醜形恐怖症や整形依存症の方でね、通ってくださる方は多いんだけれど、それなりに良くなってます。しっかりカウンセリングして、必要のない治療は僕、絶対すすめないし、でも老化は必ず進行してくるのでエイジングケアをちょこちょこやってったりとか。顔はもう、手術、メス入れていじるところはないよってことを認識させて、信頼関係ができていればずっと僕に通ってくれて、そんなに高いお金も取ったりしないから、必要のない治療とかすすめないから、それでずっと通ってらっしゃる方はたくさんいらっしゃいますね。そんなとこですわ。

A-信頼関係がね、必要ということで。

幹弥先生醜形恐怖症ってほんとに難しくてさ、理解できないことが多いですよね、普通に話してて。私、右と左の目が全然違うんですって言って、見てもほとんど一緒で、0.何ミリっていう単位で、微妙によく見てようやく分かるぐらいの非対称、誰でもそれくらいの非対称はあるんだけど。それを悩む必要ないよ、なんでそんなに悩んでるのって言っても、私はこれがすごく嫌なんですって言って、普通の人から見て理解できないことだって、なんかあるんだろうね、脳の中で異常に何か興奮してるとか、伝達物質が出てるとか。治療難しいことが多いですわ。

A-そうですね。本人からすればそれは気になってらっしゃって、幹弥先生に頼ってこられる方がたくさんいらっしゃると思うんですが。

幹弥先生ほうれい線でも、こっちはいいんですけどこっちが深くてすごく気になるんですって。誰でもほうれい線って微妙な非対称はあるけど、だからなんなのって。別にこれでいいじゃんって言ってもなかなか分かってくれない、そういう病気が醜形恐怖症なんですよね。そう。なかなか難しい。

アメリカだとね、アンピュテーターっていう人がいるんですよ。日本にもいると思うんだけど。例えば生まれつき右足が邪魔で邪魔でしょうがない、頼むから右足を切り落としてくれっていう人、結構いて、当然なかなかね、切り落とすなんてことできないですよ、お医者さんは。傷害罪になってしまうこともあるから。だから闇医者なんかで足とか腕を切り落としちゃう人がいるの。そうするとね、その患者さんはね、すごく満足するの。やっとこの邪魔な足が取れたと、やっと普通の生活ができるって。どう考えても足がなくなって不自由なのにすごく喜んで、全く後悔しないんです。そういうアンピュテーターっていう人がいて、日本にも隠れていると思うんだけど、アメリカだとそれでドラマになったりとかね、するんですよ。

A-初めて聞きました。

幹弥先生そういう人をね、何で足あって普通じゃん、そのままおいときなよ、切り落としたら不自由だよって言ってもね、全く理解してくれないの。で、どっか切り落としてくれる闇医者はいないかって探しまわる。で、切り落としてくれると何の後悔もせずにそのまま一生を終えると。ほんと感謝します、切り落としてくれてありがとうございました。それと同じだと思います、醜形恐怖症。すごく難しい病気です。だから安易に必要のない美容整形の手術をしたりとか、安易に精神科にかかって、たくさん抗うつ薬や抗不安薬を飲むっていうのは良くないことが多いです。では以上です。

A-はい。幹弥先生、いつもありがとうございます。

幹弥先生ありがとうございました。

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