
教えて、幹弥先生!
タイにニューハーフや性転換手術多いのは何故ですか? 高須クリニック高須幹弥が動画で解説
タイにニューハーフや性転換手術多いのは何故ですか? ブログ読者様からの質問に高須幹弥がお答えします。
ブログ読者様より、以下のご質問をいただきました。
「幹弥先生、こんにちは。私は、体は男性ですが心は女性の、いわゆる『性同一性障害(GID)』です。将来は性転換手術(性別適合手術)を受けることを真剣に考えているのですが、私の周りの知り合いはみんな、手術のためにタイへ行っています。よく『タイはニューハーフが多い』とか『性転換手術が盛ん』だと聞きますが、そもそもなぜタイという国は、あれほどニューハーフの方が多く、手術も盛んに行われているのでしょうか?その背景や理由について教えてください。」
目次
今日はブログ読者様から、「タイでの性転換手術事情」についてのご質問をいただいていますので、これについてお話ししますね。
【はじめに】なぜタイは「ニューハーフ」の聖地なのか
今回いただいたご質問は、「なぜタイにはニューハーフが多いのか?」「なぜ性転換手術といえばタイなのか?」という、非常に社会学的で深いテーマですね。
確かに、当院に来られる患者様や、僕の周りの当事者の方々も、性別適合手術のためにタイへ渡航される方は非常に多いです。これには、単に「医療が進んでいるから」というだけではない、タイという国特有の「宗教」「国民性」「法律(徴兵制)」「経済」という4つの大きな理由が絡み合っているんです。
順を追って詳しく解説していきましょう。

理由その①:宗教的な背景「上座部仏教」の寛容さ
まず一つ目の、そして最も根底にある理由は「宗教」です。ご存知の方も多いと思いますが、タイは国民のほとんどが敬虔な仏教徒で、特に「上座部仏教」という教えが浸透しています。世界を見渡すと、例えばイスラム教の国などでは、女装や同性愛という行為自体が法律で厳しく処罰されることがあります。キリスト教圏でも、宗派によっては同性愛を固く禁じていますよね。アメリカの大統領選挙でも、毎回のように「同性婚を認めるか否か」が大きな争点になるくらい、宗教と性別の問題はシビアなものです。しかし、タイの上座部仏教は、性別に対して非常に「大らか」なんです。彼らの教えの中には、輪廻転生のような考え方があって、ニューハーフの方に対しても、「この人は、たまたま現世に生まれてきた時に、心は女性なんだけど、魂の入れ物である体が男性だっただけなんだよ」というふうに捉えるんですね。
「神への冒涜」ではなく、「魂と器の不一致」として受け入れる。この宗教的な土壌があるからこそ、タイ社会全体が性同一性障害の方やニューハーフの方を認めやすい環境になっているわけです。
理由その②:タイ人の国民性と「カミングアウト」のしやすさ
二つ目は、タイ人特有の「大らかな気質」です。
タイは「微笑みの国」であり、自由の国とも言われますが、基本的に細かいことを気にしない、他人に寛容な性格の方が多いですよね。
日本だとどうでしょう。「男として生まれたのに女装するなんてけしからん!」と目くじらを立てる人が、残念ながら一部にはいますよね。
でも実は、統計的に見ると日本にもLGBTの方は「13人に1人」はいると言われています。これはクラスに数人はいる計算で、決して少ない数ではありません。体は男だけど心は女、あるいはその逆という日本人はたくさんいるんです。
ただ、日本の社会の同調圧力や世間体を気にして、カミングアウトできずにこそこそと生きざるを得ないのが現状です。
その点、タイは社会全体がオープンです。男性が女装していても、性転換手術をしていても、「まあ、そういう人もいるよね」と自然に受け入れられる。だから当事者の方も隠すことなく堂々とカミングアウトできるし、手術をして女性として生きることを選択しやすいんです。

理由その③:実は切実な問題「徴兵制」と兵役免除
三つ目は、意外と知られていない制度的な理由。「徴兵制」です。
タイには兵役の義務があります。男性はある一定の年齢になると全員集められて、なんと「くじ引き」をするんですよ。で、当たりか外れか、くじの結果次第で兵役に行かされるというシステムになっています。
でもね、タイの男性のほとんどは、本音では兵役なんて行きたくないんです。
軍隊に入れば厳しい訓練があるし、自由も奪われる。できれば家で普通に仕事をして、普通に生活していたい。
そこで関係してくるのが「ニューハーフ」の存在です。
実は、ニューハーフの人は兵役が免除されるんです。
たとえ戸籍上の性別が「男性」であっても、見た目が完全に女性で、心も女性である場合、「男性ばかりの集団生活である軍隊の中に女性のような人が混じると、規律が乱れる」という理由で、兵役が免除される規定があるんですね。
なので、性同一性障害の当事者の中には、「どうせ自分は心は女なんだし、行きたくもない兵役を免除してもらうために、徴兵検査の前に思い切って性転換手術をして、完全にニューハーフになってしまおう」と決断する人が多い。これも、タイで手術が盛んな大きな要因の一つです。
理由その④:貧困が生む悲しい現実と「生きるための選択」
四つ目は、少し悲しい話になりますが、「貧困」と「売春」の問題です。
タイは経済発展しているとはいえ、地方に行けばまだまだ貧困層の方が多いのが現実です。
貧しい村では、お金がないために子供を人身売買のような形で売りに出してしまうケースや、子供自身が家計を助けるために10代前半から売春に従事するというケースが残念ながら存在します。
この時、男の子のままで売春をするよりも、女の子、あるいはニューハーフになった方が、需要があったり稼げたりするという側面があるんですね。
だから、心も女性だというのもあるけれど、「生きるため、売春をするため」に、体を女性に変えてしまうという人が一定数いる。
「ニューハーフが多い」という背景には、こうした経済的な貧困と、そこから抜け出すための手段としての性転換という、シビアな現実も隠れているんです。
なぜ日本人はわざわざタイで手術するのか?(医療格差とコスト)
では、なぜ日本人の当事者の方まで、わざわざタイに行って手術を受けるのでしょうか?
日本でも性転換手術は行われています。しかし、日本で手術を受けるにはハードルがものすごく高いんです。
日本では2004年に性同一性障害特例法が施行されて、戸籍の性別変更が可能になりましたが、手術に至るまでには厳格なガイドラインがあります。
精神科医2名以上の診断書が必要だったり、長期間のホルモン療法の実績が必要だったり、数々のステップを踏まなければなりません。
さらに、日本国内で性転換手術(性別適合手術)を執刀できる医師や病院の数が圧倒的に少ない。
その結果、「手術を受けたい」と決心しても、予約が何年も先になってしまう「待機状態」が続いてしまうんです。
一方、タイは先ほどお話しした理由からニューハーフの人口が多いので、それに対応する医師や病院の数が非常に多い。
供給が潤沢にあるので、日本のように何年も待たされることなく、スムーズに手術が受けられます。
さらに、物価の違いもありますから、日本で受けるよりも比較的安い料金で手術が可能なんです。
「早い」「安い」「症例数が多くて技術も安定している」。だから日本人は海を渡るわけです。

世界の性転換事情:無料で手術ができる国、保険適用の国
ちなみに、他の国はどうなっているかと言うと、これも国によって全然違います。
先ほどイスラム教国は厳しいと言いましたが、例外なのがイランです。
実はイランでは、同性愛は罪になりますが、性同一性障害は「治療が必要な状態」とみなされ、なんと国が性転換手術を推奨し、無償(タダ)で受けられるそうなんです。これは意外ですよね。
また、ブラジルやキューバといった国々も、性転換手術に対して非常に寛容で、無償で手術が受けられる制度があったりします。
さらに進んでいるのがオランダです。
オランダでは、性転換手術が健康保険の適用になります。それだけでなく、ニューハーフの方の「豊胸手術」までもが保険適用になるそうです。
普通の女性が豊胸する場合は自費診療なのに、性別適合のための豊胸なら保険が利く。
それくらい、国としてGID(性同一性障害)やLGBTの方の権利を認め、サポートしようという体制が整っているわけです。
おわりに:日本の現状とこれから
こうやって世界を見てみると、国によってLGBTの方々への扱いや、医療制度には天と地ほどの差があることが分かります。
日本も少しずつ変わってきてはいますが、オランダやタイ、南米の一部の国に比べると、まだまだ法整備も医療体制も追いついていない、「まだまだだな」というのが正直な現状ですね。
タイで手術を受ける人が多いという事実は、裏を返せば、日本国内で当事者の方が安心して、迅速に医療を受けられる環境がまだ整っていないことの証明でもあります。
宗教や文化の違いはありますが、苦しんでいる方が自分の望む性別で生きられるよう、日本ももう少し寛容で、選択肢の多い社会になればいいなと思います。
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