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教えて、幹弥先生!

カウンセリングのときに私の息子に美容整形手術を勧めないでください 高須クリニック高須幹弥が動画で解説

カウンセリングのときに私の息子に美容整形手術を勧めないでください。
患者様からのご意見に高須幹弥がお答えします。

公開日:2016・02・08出演:高須幹弥医師

50代女性の方から、以下のご質問をいただきました。

「私には17歳になる息子がいます。息子は今までに色々なクリニックで美容整形手術をしており、総額で400万円くらい使ってきました。今度、幹弥先生の手術を受けたいと言っており、カウンセリングの予約をさせていただきました。

そこで先生にお願いなのですが、カウンセリングの時に息子に手術を勧めないでいただきたいのです。息子は自分の顔のせいで学校に行けず引きこもっており、『自分をブサイクに産んだお前のせいだ』と言います。もう家にはお金がなく、今までも生命保険を解約したり定期預金を切り崩して整形費用を捻出してきました。お金がないと言うと私に暴力を振るってきます。

カウンセリングには私も同席しますが、どうか息子にこれ以上整形を勧めないでください。そして、私がこのようなお願いをしたことは絶対に息子には内緒にしてください。よろしくお願いいたします。」

今日は、この「17歳の息子さんの美容整形依存と家庭内暴力への対応」について、僕なりの考えを詳しくお話ししますね。

医者として「嘘」をつくことはできないという葛藤

同じようなご相談をされる親御さんは実際によくお見えになるのですが、正直にお話ししますと、私たちクリニック側としては非常に困ってしまう状況なんですね。

美容整形クリニックというのは本来、患者さんご自身が「綺麗になりたい」「かっこよくなりたい」「顔の形を変えたい」という強いご要望を持って来院される場所です。僕たちはその思いを受け止め、カウンセリングと診察を通して「できること・できないこと」を医学的な見地からしっかりとご説明します。そして、ご本人が「やる」と決断されたら、全力で手術をさせていただくという形をとっています。

それなのに、お母様から「息子には整形を勧めないでください。でも、私がそうお願いしたことは絶対に内緒にしてください」と言われてしまうと、僕としては診察室でどう振る舞えばいいのか分からなくなってしまいます。

もし息子さんを診察して、彼が望む二重まぶたや鼻を高くする手術が医学的に可能であれば、通常通り「この手術ならできますよ」とコンピューターシミュレーションをして説明するのが僕の仕事です。それをお母様との裏の約束のために、「いや、手術はしません。帰ってください」と断らなければならないとしたらどうなるでしょうか。

当然、息子さんは「なんでですか?」と聞いてきますよね。その時に「お母さんに止められているからです」とは言えません。となると、「君は手術できない体質だから」とか「やっても良くならないから」と、患者さんに対して嘘をつかなければならなくなります。

医者というのは、患者さんに対して嘘をついてはいけない職業です。「嘘も方便」という言葉もありますが、このような医療の根幹に関わる部分で嘘をつくことは、患者さん本人の頭を混乱させてしまいますし、絶対についてはいけない嘘だと僕は思っています。

顔へのコンプレックスの裏に隠された本当の悩み

17歳の高校生の息子さんが「顔がブサイクだから学校に行けない」と言っているとのことですが、実際にどれくらいお顔にコンプレックスを抱えているのかは、直接診察していないので分かりません。

ただ、これまでの僕の経験から言わせていただくと、「顔のせいにして学校に行けない」というのは、何か別の問題から逃げているケースが非常に多いんですね。

例えば、学校で友達がうまく作れないとか、勉強についていけないとか、そういった人間関係や環境の悩みが根本にあって、それを「自分の顔のせいだ」、さらには「こんな顔に産んだ親のせいだ」と責任転嫁してしまっている可能性が高いと思います。

すでに他院で総額400万円も使って整形を繰り返していることからも、彼の抱えている心の闇は深いように感じます。これ以上、親の定期預金や生命保険を切り崩して美容整形を繰り返したとしても、彼の心が満たされ、根本的な解決に繋がるとは僕には到底思えません。

親としての毅然とした態度と、家庭内での再教育の必要性

少し厳しい言葉になってしまうかもしれませんが、お母様も少し息子さんを甘やかしてしまっているのではないでしょうか。

息子さんはまだ17歳です。未成年ですから、親の同意書がなければ美容整形の手術は受けることができません。お母様が「絶対にダメだ」「もうお金は一切出さない」と毅然とした態度で突き放せば、本来はやらせずに済むはずなんです。

しかし、暴力を振るわれるのが怖い、あるいは本当は息子さんに嫌われるのが怖くて、渋々お金を出して整形をさせてしまっているのかもしれませんね。でも、それでは彼のためになりません。心を鬼にして、親としてしっかりと叱らなければならない時ですよ。

17歳であれば、まだまだ更生の余地は十分にあります。まだまだ子供ですから、今からでもしっかりと勉強をやり直させて、学校に行かせることができれば、立派な大人に成長できるはずです。まずは家庭内でしっかりと彼と向き合い、再教育してあげる必要があると僕は思います。

専門機関(児童相談所など)への相談という選択肢

いただいた文章からは、お父様がいらっしゃるのか、あるいはどのようなご家庭の環境なのかまでは分かりません。

しかし、17歳の男の子となると、もう体は大人と同じくらい大きいですから、お母様の力だけで押さえつけることは難しいですよね。本来であれば、父親が殴り合ってでもしっかりと叱りつけ、更生させてあげないといけない場面なのかもしれません。

ただ、ご家庭の事情でそれができない環境なのであれば、無理にご家庭内だけで抱え込まずに、児童相談所などの専門機関に相談することを強くお勧めします。

本当にどうしようもなくて、暴力を抑えつけることもできず学校にも行けない状態が続くのであれば、最悪の場合、施設に入れるというのも一つの確かな選択肢です。

ずっと家に引きこもって、お母様に暴力を振るってわがままばかり言い、美容整形に莫大なお金をかけ続けるよりは、施設に入ってそこでしっかりと更生し、立派な大人になるよう仕向ける方が、よっぽど彼のためになると思います。これは、彼の人生を救うための前向きな選択ですよ。

今回のカウンセリングはキャンセルをお願いしたい理由

このような複雑な事情を踏まえまして、今回の僕のカウンセリングについては、どうかキャンセルのご連絡をしていただきたいと思っています。

「キャンセルしてほしいと言われても、なんとか連れて行って説得してほしい」とお母様と一緒に来院されるケースも過去にありましたが、もし来院された場合、僕は普段通りのカウンセリングをせざるを得ません。

僕は基本的に無理に勧めたり、強引な営業をしたりすることは絶対にしません。しかし、普通に患者さんの話を聞いて要望を伺い、「それならこういう方法があるよ」とシミュレーションをし、手術のメリットもリスクも説明して「じっくりご検討ください」と誠実にお答えしてしまいます。先ほども言った通り、嘘はつけないからです。

そうすると、彼はますます「幹弥先生の手術を受けたい!」という気持ちが強くなり、家に帰ってから「お金を出せ!」とお母様に再び暴力を振るい、また無理やり手術をする……という最悪の悪循環を繰り返すだけになってしまいます。

それは結果的に、彼をさらに追い込むことになり、お子さんのためになりません。だからこそ、今はここに来ない方がお子さんのためだと僕は確信しています。

それぞれのご家庭には複雑な事情があると思いますが、なんとかご家庭内で、あるいは専門機関の手をしっかりと借りて、この問題を解決していただけることを心から応援しています。

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